ヨット好きには掘り出し物の映画です。
いきなり冒頭からディンギーのレースシーンで始まり、その様子は臨場感にあふれ、スリリングです。
主人公チャーリー(ザック・エフロン)は弟のサム(チャーリー・ターハン)と組んでこのレースに優勝するのですが、彼は高校のヨット部の主将であり、奨学金を得て大学へ進学する予定になっている、という設定。
その後……ということで映画は展開しますが、オープン60クラスや大型のクルージングボートなどが登場し、それがストーリーにからみ、セーリングボートの登場率は最近の洋画のなかでは断トツ。
撮影にはカナダのブリティッシュコロンビア州バンクーバーの海が選ばれたらしいが、この海の表情も素晴らしい。
冒頭のディンギーレースは西バンクーバーのイーグルハーバー・ヨットクラブというところで撮影されたらしいのですが、ネットで調べてみるとここはジュニアヨットクラブが充実しており、そこのディンギーが撮影に使われたようです。
ちなみに主人公の家庭は父親がいない労働者階級という設定で裕福ではないらしく、彼が乗る船は修理の跡があるボロ艇というのも面白い。
でもあのハイスクール・ミュージカルで歌って踊って飛び跳ねていたザック・エフロンがこのような地味な映画で好演しているのはちょっとした驚き。
しかし、地味とはいえ、陰影のある役柄を巧みに表現した彼の存在感、そしてヨットがうまく使われてこととも相まって、この冬お勧めの映画です。
映画サイト http://kimi-mirai.jp/