「Q-ton World 1978 記念カップ」が完成

2010年4月6日

カップの門出にふさわしい強風の洗礼を受けたお披露目式

 

「Q-ton World 1978」と言ってもわかる人は少ないでしょう。

「Q-ton」とは「クォータートン」のこと。それでは「クォータートン」っていうのは何? となりますが、これは外洋ヨットのクラスのひとつ。IOR(インターナショナル・オフショア・ルール)という外洋レース艇を規定するルールがあり、そのIORで定められたクラスのひとつが「Q-ton」で、これに属するヨットの全長はおよそ24~26フィート。ほかにも「1/2ton」(ハーフトン)、「3/4ton」(スリークォータートン)、「1ton」(ワントン)というクラスもあり、JSAFの特別加盟団体である日本ミニトン協会は「クォータートン」の下のサイズの「ミニトン」ということなのです。

前置きが長くなりましたが、その「Q-ton」の世界選手権が1978年に日本で開催されました。「すばらしい大会を開催しよう」、「地元大会で優勝しよう」、「俺の船が一番速いと証明しよう」とばかりに日本のヨット界は燃えに燃え、老いも若きも外洋セーラーたちはこのレースに命をかけんばかりに熱中したのでした。

今回、当時の勇者たちの熱い気持と誇りを後世に長く伝えるとともに、「外洋レースの活性化を図っていこう」との趣旨で、当時のレース実行委員会有志によって記念カップが制作され、そのお披露目が4月2日、神奈川県葉山町で行われました。

お披露目に際し、カップの趣旨とその運用に関する下記の一文が戸叶幹男さんから寄せられました。(Web J-SAILING編集部)

 

外洋レースの勇者に贈る

 

「Q-ton World 1978」は外洋ヨットの世界選手権として国内で開催された唯一の大会であり、30ノットの吹き荒れる相模湾と伊豆諸島を舞台に多くの伝説を残す大会だった。その「Q-ton World 1978」の存在をひとつのカップに残すことになった。

今では語り草となった昼夜徹しての240マイルの激走は、新たな針路を外洋ヨットの復活を目指すことへの出帆となった。外洋ヨットの発展は当時運営委員長を務めた故石原裕次郎さんの遺志であり、関係者の思いでもあった。

去る4月2日、葉山町森戸神社で裕次郎さんの石碑に完成の報告をした後、祝詞奏上を受け、滞りなく入魂式は終了した。当日はあいにくの強風で大荒れとなったが、まさにカップの門出にふさわしい記憶に残るお披露目式となった。

一昨年、葉山新港での同大会30周年記念「祭」が開催されたが、その時の実行委員長であった山崎達光氏、副委員長の松田菊雄氏他らの有志によって、その折の余剰金の活用を形あるものとして、大相撲の優勝カップに負けずとも劣らない大きさの「Q-ton Cup1978記念カップ」を制作した。高さ1mと25cm四方の台座には予選から本戦までの参加各艇の名前が刻印されている。サブタイトルとして”The prize for Brave Sailor of the year.”の文字が刻まれ、果敢に外洋レースに挑み、優秀な成績を収めた選手あるいは艇(チーム)にこのカップは贈呈(持ち回り)されることになる。

Q-ton Cup1978贈呈委員会の定める規定のもと、今年度よりカップの贈呈が始まる。(戸叶幹男/記念カップ製作実行委員会)

 

カップには石原裕次郎大会運営委員長の言葉が刻まれる

レースカレンダーを活用しましょう

2010年4月5日

JSAFレースカレンダー

ゴールデンウィークを控えレースシーズに突入です。レース主催者やレースの広報担当者にとっては、エントリー数が気になる季節でもあります。

ここで提案があります。

JSAFのホームページには「レースカレンダー」という機能がついています。
トップページに「JSAFレースカレンダー」というバナーがあるのですぐに見つけることができます。

これをクリックすると月別のレース情報が書き込まれたカレンダー・ページに飛びます。
このカレンダーの日付欄の最後に「新規登録」という窓があります。
ここをクリックすると「スケジュール登録」というページに飛び、レースの予定を書き込むことができます。

この機能をもっと利用しましょう! というのが提案なのです。

Web J-SAILINGがオープンしてから、JSAF広報委員会宛にレース告知を掲載してくださいというお願いが来るようになりました。
すべての情報を掲載させていただきたいと思っているのですが、物理的にそうもいかないことがあります。
そこで、レース告知には「レースカレンダー」をもっと利用していただこうと考えたわけです。

「レースカレンダー」を見た読者は、それをクリックしてレースの詳細を知ることができ、エントリーにつながる可能性が増えることになります。レース結果を知りたい読者も訪れるはずです。
そういったセーリングファンの要望に応えるためにも、「レースカレンダー」のさらなる活用を提案する次第です。(JSAF広報委員会)

JSAFレースカレンダー http://www.jsaf.or.jp/webcal/webcal.cgi

「海の金魚」完成披露試写会開催

2010年4月1日

舞台挨拶の1シーン

 

JSAFが後援する青春ヨット冒険ムービー「海の金魚」の完成披露試写会が3月31日、東京・有楽町ホールで行われました。

出演者の入来茉里さん、田中あさみさん、賀来賢人さん、白石隼也さん、柄本時生さん、吉瀬美智子さん、髙嶋政宏さん、芳本美代子さん、小島よしおさん、宮下純一さん、雑賀俊郎監督が舞台挨拶を行ないました。

雑賀監督は「2年前に(鹿児島の)ヨットレースのDVDを見たとき、大人に交じって1組だけ高校生のチームが参加していて、決して強くはないけど、純粋に闘う姿に感動しました」とこの作品を撮ることになったきっかけを披露しました。

試写会に先駆け、JSAFもメンバーであるUMI協議会のキャンペーンガール海なでしこ6人による出演者スペシャルインタビューも行われ、主演5人の撮影のエピソードなどを聞き出していました。

この映画は「鹿児島カップ 火山めぐりヨットレース」を舞台にストーリーが展開します。撮影に際しては鹿児島県セーリング界がバックアップし、とくにハーバーや海上のシーンでは全面協力。そのあたりのエピソードは4月下旬発行のJ-SAILING82号にも少し触れられています。

高校生5人が外洋ヨットレースに挑戦するこの映画、4月から順次全国公開予定です。ご覧ください。

海の金魚 http://umikin.com/
UMIちゃんねる(海協議会)http://www.uminiikou.com/

 

海なでしこと主演者たちの記念ショット

2010年光ウィーク高校ヨット選手権。
風に恵まれ、熱戦を展開

2010年3月30日

2010年光ウィーク高校ヨット選手権の入賞者たち

2010光ウィーク高校選手権が4日間の日程を終了しました。4日間でFJ級が12レース、シーホッパー級SRが11レースを行い、FJ級は帆走指示書に示された最大レース数を消化したことになります。

風の状況は、26日WNW 10m/s、27日WSW 3m/s、28日WSW 5m/s、29日 North~NNW 6m/sで、強風によりレースが中止されたこともありましたが、4日間ともよい風に恵まれてレースを行うことができました。

レースでは、スタート前や下マーク回航のルームのせめぎ合いなどが印象に残りました。今回のレースは下マーク(3マーク)にオフセットマークが設置されていること、コースが多岐にわたっていたことも各選手にはよい経験となったと思います。

光ウィーク高校選手権はシーズン前の強化合宿として始まりましたが、この選手権を通じ、各選手これから始まるシーズンに向け冬季の練習で得た自分のスキルがどのあたりに位置しているのかを確認することができ、インターハイに向けた練習ポイントなども発見できたであろうと推察します。

今年の光ウィーク高校選手権は他の大きな大会と日程が重なり、残念ながらエントリー数が少ない状態でしたが、来年2011年の光ウィークには奮ってのご参加お待ちしております。各選手の今後の更なる活躍を祈念します。(本木 久也/山口県セーリング連盟、大島商船高専ヨット部顧問)

総合成績

FJ級
優勝 小泉 颯作・石田 爽介(光高校)
2位 平松 良洋・杉浦 伸吾(碧南セーリングクラブ)
3位 奥村 文嗣・川田 聖也(高松工芸高校)

シーホッパー級SR
優勝 山本 康司(大島商船高専)
2位 横山 功一郎(山陽高校)
3位 平岡 拓洋(米子工業高専)

FJ級、最終レース。トップ艇が優勝チーム

第14回セーリングアジア選手権。
日本ナショナルチーム、2種目に優勝! 

2010年3月29日

日本ナショナルチーム全員集合。お疲れさまでした

中国・広州の汕尾(シャンウェイ)で23日から開催されていた第14回セーリング アジア選手権は29日最終日を迎え、JSAFナショナルチームの470級男子 石川裕也・柳川祥一組 (関東自動車工業)とマッチレースクラスの中村匠・伊藝徳雄・笹木哲也・佐藤大介組(チーム・アルバトロス)がそれぞれ優勝し、金メダルを獲得しました。

今回は14種目が実施されましたが、日本からは下記の9種目に14名の選手が参加しました。(氏名のあとは最終成績)

470男子 8カ国 参加10艇(石川裕也・柳川祥一組)―― 優勝
・470女子 5カ国 参加8艇(村濱沙耶・板倉広佳組)―― 4位
・RSX男子 7カ国 参加12艇(富澤慎)―― 2位
・RSX女子 5カ国 参加6艇 (小菅寧子)―― 3位
・レーザー男子 7カ国 参加11艇(ホール・イアン)―― 5位
・レーザーラジアルオープン 11カ国 参加19艇(永井久規)―― 7位
・OP男子 9カ国 参加16艇 (高竹義樹)―― 9位
・OP女子 7カ国 参加14艇(田中美紗樹)―― 10位
・マッチレース 7カ国 参加7艇(中村匠、伊藝徳雄、笹木哲也、佐藤大介)―― 優勝

470級男子優勝の石川・柳川組は全12レースを4-1-2-1-5-2-4-6-2-6-3-6の順位で戦いました。
マッチレースクラスのチーム・アルバトロスは予選から決勝までの全12レースを負けなしで勝ち進むなど圧倒的な強さを見せました。(JSAFオリンピック特別委員会)                   

大会公式サイト http://www.asafweb.com/news/asianchampionship_index.html
JSAFオリンピック特別委員会 http://jsaf-osc.jp/ 

やった!金メダルだ!日本はマッチレース圧勝でした

470級 石川・柳川組の晴れやかな笑顔