JSAFナショナルチーム
4種目で 金1、銀3、銅1を獲得

2010年5月17日

470級女子の決勝戦のスタート

イタリアの北部、リバのガルダ湖で5月12日から開催されていた「エキスパート・オリンピック・ガルダ大会」(グレード2)16日、最終日を迎え、大会に出場していたJSAFナショナルチームは4種目において金1、銀2、銅1を獲得しました。

金メダルを獲得したのは470級女子の世界ランキング4位、近藤愛・田畑和歌子組(アビームコンサルティング)です。同組は予選ラウンドを首位で決勝戦に進み、決勝でも首位を譲らず優勝を果たしました。また、同種目に出場していた吉迫由香・大熊典子組(ベネッセコーポレーション)も決勝で2位に入り総合でも2位となり、銀メダルを獲得しました。この両組はロンドン五輪の日本代表の椅子(1枠)を最後まで争うとみられているナショナルチーム宿命のライバル同士です。

ウインドサーフィンのRS:X級では男子の富澤 慎(関東自動車工業)と女子の須長由季(ミキハウス)がそれぞれ銀メダルを獲得しました。日本の第1人者、富澤は北京五輪10位、3月に中国で行われたセーリングアジア選手権でも2位を収め、ロンドン五輪の同種目期待の星です。

49er級に出場した牧野幸雄・高橋賢次組(関東自動車工業)は予選を3位で通過、自身ら初の決勝戦でも5位を収め、総合3位で銅メダルを獲得。世界が見えてきました。

今年度本格的ヨーロッパ遠征の初戦にあたる本大会には7種目13艇18名の選手が出場。「世界の強豪と互角に戦う」ことを目標に掲げるJSAFチームに勢いをつけました。8月までヨーロッパ遠征を続けるJSAFナショナルチームの次大会はオランダのデルタロイドレガッタ(5月26日~30日:オランド・メデンブリック)です。

エキスパート・オリンピック・ガルダ大会 http://expertolympicgarda.fragliavelariva.it/

49er級の決勝戦のスタート

コラム
「海のファッションにはワケがある その2」

2010年5月17日

Illustration by Tadami

時間を経たモノにまつわる話には諸説ありますが、海のファッションもその伝統を紐解こうとすると、さまざまなエピソードが聞こえてきます。そんなエピソードをご紹介するこのコラム。へぇー、そんなワケがあったのか・・・・・・とちょっと驚いてください。

4月14日につづいての2回目の本コラム、今回は懐かしのセーラー服についての話です。

その昔、船乗りは、髪を後ろでまとめて縛り、首の周りには布地を当てていたそうです。髪の毛や髪油で衣服が汚れるのを防ぐためで、航海中は首の周りに当てた布地だけを交換していたようです。また、布地を耳の後ろで立てて船上での集音効果を高めたり、寒さ対策であったり、顔を拭く時に活用したとも言われています。おそらく、海に生きる船員の格好は、一般人には珍しく新鮮に写ったことでしょう。

その後、最強を誇るイギリス海軍が、首周りに布地を配した船員の格好(セーラースタイル)を軍服のデザインに採用したこともあって「セーラースタイル」は海の男のシンボルとして世界の海軍に伝播して行きました。

ところで日本にセーラー服が登場したのは1920年頃と言われています。

男性用の学生服は陸軍服を模してデザインされました。そして、男性が「陸」なら女性は「海」というわけで、女性用は海軍服である「セーラースタイル」がデザインされたという説。また、男性は士官で女性は水兵という時代を反映した理由でセーラー服が誕生したなど諸説あります。

いずれにしても、この頃に日本のセーラー服が誕生し、全国に広がったことは事実のようです。どうやら、セーラー服は古き海洋文化を継承した正真正銘の「マリンスタイル」であると同時に、日本の社会風潮を反映した文化衣装でもあるようです。 
 

420級が借りられます!

2010年5月14日

2009年ISAFユースワールドから(photo Dave Kneale/Volvo Ocean Race)

世界のユースやアンダー19の世界で普及しているディンギーである420級ですが、残念ながら日本ではあまり普及していません。

そこで、420級ってどんなボートなのかを知ってもらうおうと、JSAFオリンピック特別委員会、同ジュニア・ユース育成強化委員会、和歌山セーリングクラブでは420級の貸し出しシステムを作りました。

ユースの選手に知ってもらいたいということで、2011年3月24日時点で満15歳以上、かつ1993年1月1日以降に生まれた19歳未満の選手が貸し出し対象者となります。

同じ条件でRS:X級の貸し出しも行っています。貸し出す際の条件、料金、引渡し場所などの詳細はオリンピック特別委員会のホームページを参照してください。http://jsaf-osc.jp/cn06/pg20-14.html

本の紹介 痛快海洋冒険小説
イアン・ローレンス3部作

2010年5月10日

14歳の少年ジョン・スペンサーが主人公となって、新米セーラーとして経験を積みつながらさまざまな冒険に遭遇する成長物語です。第1作の日本での発行は2001年ですから新しい作品ではありませんが、図書館の児童書コーナーで偶然に見つけて、手に取りました。

第1作「The Wreckers 呪われた航海」でスペンサーは初めての航海に出ますが、いきなり難破の憂き目に遭います。冒頭から嵐のシーンで、あっという間に浜に打ち上げられ、かろうじて一命をとりとめたところから話は始まり、その後は波乱万丈。ミステリアスな展開で、ハラハラドキドキなシーンも満載。

第2作「The Smugglers 死をはこぶ航海」では密輸船事件に巻き込まれ、敵か味方かもわからぬクロー船長の下、ドーヴァー海峡を縦横に帆走します。馬車強盗が船に乗り込んできたり、目の見えない老婆が登場したり、と謎が謎を呼ぶ展開です。

第3作「The Buccaneers 闇にひそむ海賊」では舞台をカリブ海に移し、スケールは大きくなります。あの悪名高い伝説的な海賊ディヴィー・ジョーンズ(漫画ONE PICECEや映画パイレーツ・オブ・カリビアンにもこの名前は出てきます)のエピソードなども登場。前2作のキャラクターも登場し、仕かけられた伏線も効果的で、3部作のなかではもっとも面白く仕上がっています。

どの巻とも3時間ほどであっという間に読めてしまいますので、風待ちなどのときに読むのもいいかもしれません。

筆者のイアン・ローレンスはブリティッシュコロンビア州のガルフアイランズの孤島に暮らすカナダ人。9歳でセーリングを始め、今も木製のカッターに乗る現役セーラーということで、セーリングシーンは臨場感があります。発刊当時は「宝島」を書いたスティーブンスンの再来との評価を受け、第1作はエドガー・アラン・ポー賞に候補になったということです。(3作とも理論社・刊、イアン ローレンス・著、三辺律子・訳。)

The Wreckers 呪われた航海

The Smugglers 死をはこぶ航海

The Buccaneers 闇にひそむ海賊

なお、以前、このブログで紹 介したヨットが登場する小説「風の靴」(講談社刊・朽木祥著)が産経児童出版文化賞の大賞に選ばれました。
http://sankei.jp.msn.com/culture/books/100505/bks1005050933000-n1.htm

沖縄・東海レース2010 終了

2010年5月7日

5月6日 13時30分に<MIROKU 2>がフィニッシュして、沖縄-東海ヨットレースは終了しました。

成績は下記のとおりです。(成績・艇名・タイプ・所属・オーナー名の順)

1位 <GUST>(Cockson12m)     東海 青山耕三
2位 <朝鳥>(Ian Marray 43)        東海 田村愼一
3位 <トレッキー>(MUIR-40)          三崎 新田肇
4位 <貴帆/Team Aomori>(X-37)津軽海峡 北田浩
5位 <HINATA-MARU>(J/V-40) 内海 武久政嗣
6位 <ESPRiT>(SWAN-56)                 三崎 河本二郎
7位 <COCORIN interland>(Elliott-16m Schooner) 湘南 松永格
DNF <サシバ5世>(FIRST45F5)     沖縄 東江正喜
DNF <Mondaynight>(Sprint-51)  東海 岡田清春
DNF  <MIROKU2>(YOKOYAMA12m)   東関東 伊藤猛
DNF  <PETITE>(VITE31)                  西内海 松本龍三郎
DNC  <Bengal7>(Ohashi46)            東海 邨瀬愛彦

なお、表彰式は5月22日14時に蒲郡市民会館において行われる予定です。
選手のみなさま、運営スタッフのみなさま、ご苦労様でした。

沖縄・東海レース2010 http://okinawa.toscrace.jp/