トウキョウズ・カップ2010ヨットフェスティバル その3

2010年7月31日
 

フィニッシュの様子

第19回 TOKYO’S CUP 2010ヨットフェスティバル、Bコースのスタートは11:00。参加艇は11艇。

東海汽船から連絡が入り、11:10分の便の入港が岡田になるとのこと。

大丈夫だろうか… 
ゼネラルリコールになると、ジェット便の入港に支障をきたしてしまう。
なんとかオールフェアーでスタートして欲しいと願った。

天気は曇り時々晴れ。風向230度 風速12ノット、吹き下ろしの風が時おり強く海面をたたくように吹きつけていた。
陸上では大島国際海洋高校のヨット部学生がスタート信号の手伝いをしてくれて、その旗を合図に各艇は無事にスタートし、伊豆大島筆島沖10マイルフニッシュを目指し爽快に走り出した。

スタートすると本部船はすぐに筆島に向かい、フィニッシュラインを設定。
水深は35mぐらいだけど、潮の流れはとてもきつく、マークを打つのに苦労する。

斉藤レース委員長は真剣に海面を見つめ、マークポイントを探していた。
スタッフのみんなも一瞬のチャンスを逃さないようにレース委員長の指示を待つ。

委員長の指示があり、土嚢をデッキに持ち上げ蹴り落とし、「いってこい」にしてあるロープを落としこむ。
のんびり作業していると怪我をしてしまうぐらい、実はハードな作業。

そうこうしているうちに、レース艇の姿が見えだしてきた。

今年の大島は風が強い。
筆島沖フィニッシュポイントは吹き下ろしの風が強く、220度の風が26ノットぐらいあり、立っている私も吹き飛ばされそうになるぐらいの風が吹き出した。
本部船の船長さんいわく「たぶん20メーターはありますよ」

フィニッシュラインを目指してやってくるセーリングボートの様子はとても大変そうに見えた。
オーバーヒールはもちろん、タックも大変そうだ。

風が強く、リタイヤする船も出てしまったけど、無事にフニッシュすることができた船もあり、どんな様子だったのかなぁと、とっても気になる。パーティで参加艇の話を聞くのが楽しみになってきた。(三浦多満枝)

JSA外洋東京湾 http://yacht.main.jp/

手伝ってくれた大島国際海洋高校のヨット部

本部船でマークをセットするスタッフたち

トウキョウズ・カップ2010ヨットフェスティバル その2

2010年7月31日

大島波浮港の朝

第19回 TOKYO’S CUP 2010 ヨットフェスティバルは今日スタートです。

今年のこのレース、エントリーは事前に受付けをし、ライフジャケットとハーネスを着用し、海上でチェックインをする方法を採用しているため、波浮の港に停泊する船が意外と少ないのです。

今朝、停泊している船の様子を見に行くと、ちょうど<ハングリーキャット>が到着したところに出くわしたました。
「お疲れ様です。何時に出港したんですか? 海はどうでした?」と聞いてみると、
「いやぁー疲れたよ。風はそうでもなかったけど、波がきつかったぁ~」「横浜市民ヨットハーバーを22:30に出港し、いま着いたんだよ」「ジュニア所属が3人いるんですよ」と話してくれました。

大会本部は06時に開設し、選手の方々のサポート体制も準備が整いました。
Bコースの岡田スタートの最終チェックを終えると、いよいよ陸上本部も盛り上がってきました。

波浮の港にはほどよい風が吹いています。
どんなレースになるのか楽しみになってきました♪ (三浦多満枝)

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横浜市民ヨットハーバーの<ハングリーキャット>のみなさん

備品のチェックに忙しいいサポートスタッフたち

トウキョウズ・カップ2010ヨットフェスティバル

2010年7月30日
 
 

7月30日朝、大島波浮港入口の様子

第19回 TOKYO’S CUP 2010 ヨットフェスティバルが7月31日に開催されます。

大会前日の今日、5名の運営スタッフが東海汽船に乗り、大会本部の設営にやってきました。

昨日の大風で早くもリタイヤ報告が1艇から届きました。
9時半、東海汽船が大島に到着したころは波浮の港も風でざわつき、時おり雨も降る天気で、スタッフを迎えてくれました。
廻航してくる船が大丈夫なのかと心配してしまうような天候でした。

9時に葉山を出港した艇が17時半近くに到着。その後、数艇から連絡が入り、風が強いので出港を見合わせ「明日直接スタート地点に行こうと思います」といった連絡が入る状況です。

今年のトウキョウズカップは、Aコース30マイル、Bコース10マイル、Cコース39マイルと参加するコースを選択でき、それぞれのスタート位置からフィニッシュの筆島沖を目指すようにコースを設定しています。

開催日が月末となり、参加艇が28艇とイベント始まって以来の少数になってしまいましたが、大島町の方々は選手を迎え入れるために、一生懸命に作業して下さっています。

明日は良い天気になり、風がもう少し穏やかになってくれることを祈り、これから続々入港してくる船を迎えたいと思います。(三浦多満枝)

JSAF外洋東京湾 http://yacht.main.jp/

廻航を終え、波浮港に入港したレース艇

コラム 「海のファッションにはワケがある」

2010年7月28日
 

illustration by Tadami

 

時間を経たモノの発祥にまつわる話には諸説ありますが、海のファッションもその伝統を紐解こうとすると、さまざまなエピソードが聞こえてきます。そんなエピソードをご紹介するこのコラム。へぇー、そんなワケがあったのか・・・・・・ちょっと驚いてください。

今回は、ちょっと視点を変えて、紫外線の話です。猛暑の今、とても大切なのでぜひ、お読みください。

日焼けした褐色の肌はセーラーの自慢ですが、それは危険との隣り合わせです。

海での紫外線は海面からの照り返しの影響で陸地の2倍~3倍にも達します。紫外線を多量に浴びると眼病の発生リスクは格段に高まり、肌への直射は皮膚癌を引き起こすことにもつながります。

環境破壊によるオゾン層の減少は紫外線の照射を増加させ、海は高濃度の有害シャワーを浴びる場所になってしまいました。 

紫外線は一般に「UV」と呼ばれています。色にはそれぞれ波長があり、人間は一定の波長の幅の中にある電磁波だけを「色」として認識します。いわゆる虹の7色です。

我々が認識できる波長の中で最も波長が短い電磁波が紫(Violet)です。紫外線は紫よりもさらに波長が短いので我々は色として認識できず、紫外線を浴びている自覚がありません。紫外線はUltra Violet(紫を越えた向こう側)と称され、その文字から「UV」と称されているのです。ちなみに赤外線は波長がもっとも長い赤色よりもさらに波長の長い電磁波です。

最近は紫外線をカットするUV効果を数値で示した衣料が販売されています。紫外線を浴びる機会が多いセーラーの皆さんは衣料を選ぶ参考にして下さい。一般的には黒などの濃い色で、かつ素材が厚い衣料を着れば、肌に届くまでに紫外線は吸収されて透過量は減ります。

しかし、夏のセーリングでは熱がこもって暑過ぎます。紫外線と暑さにバランスよく対処するのは、薄い衣料で、できる限り肌を隠すしかありません。 

長袖シャツ、ラッシュガード、つばの広い帽子、日焼け止めクリームなどで、とにかく素肌を紫外線から防御して下さい。サングラスは紫外線を80~90%遮断するので眼病対策の必需品です。

実際に白内障の患者数は増加しており、紫外線がその一因と考えられていますので、セーラーは特に注意が必要です。これからもセーリングライフを長く楽しむために、紫外線の怖さを充分に自覚し、過度な肌の露出は控えるよう心掛けて下さい。

最後に食事ですが、紫外線を浴びた後、ビタミンEや亜鉛を摂取すると鎮静効果があるそうで、牡蠣(カキ)は最良の食材だそうです。セーリング後の 生ビールと牡蠣‥‥またヨットに乗りたくなりました。

 

詳報  2010年レーザーラジアル級ユース世界選手権 女子・日本代表 土居愛実(17歳)銀メダル獲得!

2010年7月26日

選手団の面々

オリンピック女子正式種目「レーザーラジアル級」のユース世界選手権は現地時間7月25日 英国・スコットランドのラーグスで最終日を迎え、日本の土居愛実(どいまなみ・1993年8月神奈川県生まれ・17歳・山手学院高等学校2年在学・江の島フリート/神奈川県ユースヨットクラブ)が銀メダル・2位を獲得しました。優勝は米国、3位はオランダでした。

今大会の女子には世界26カ国から89艇の参加がありましたが、土居は予選7レースに3回のトップをとるなど終始上位で戦い、総合2位で通過、決勝シリーズに進出。決勝シリーズの最終日には4m~8mの風の中、並みいる世界のユース世代トップセーラーと互角に戦い13位-7位でまとめ、銀メダルを獲得しました。同級における日本女子のユース世界選手権メダル獲得は初の快挙です。日本の女子一人乗りクラスは世代を通じて世界のハードルが高く、トップ10に入ることも難しいとされてきました。
レーザーラジアル級は前回の北京五輪から女子一人乗り種目として初めて採用されています。土居は今回の好成績により、2016年リオ五輪大会の“期待の星”に躍り出ました。

なお、今大会には日本からU-18男子6名、女子4名が参加しました。

【土居愛実コメント】
銀メダル獲得をとても幸せに思っています。
1月に行われたミッドウィンターレガッタに参加し世界選手権の出場権を獲得できました。レース会場のラーグスでは強風域が予想されていたのでセーリング練習と合わせてウエイトトレーニングを行ってきました。目標体重には至りませんでしたが8kgのウエイトアップをすることができました。現地の事前練習は予想どおり強風のコンディションでしたが、大会が始まると私の得意な軽順風でのレースになりました。スタートを苦手としていたので確実なスタートをすることを目標にしました。そしてよいスタートができ、ボートスピードには自信があったので、その後は自分の思うようなコース展開ができました。11レース中3レーストップを取ることができ、U19女子総合で2位になることができました。
ラジアル世界選手権の前に行われたISAFユース世界選手権(トルコ)に出場したことで海外レースの雰囲気に慣れることができ、緊張することなく自分の力を出し切ることができました。今回銀メダルをとることができたのは、日ごろから活動を応援してくれている家族や練習を毎週見てくださったコーチのおかげだと思います。感謝しています。今後もこの成績に甘んじることなく次の大会に向けて頑張っていきたいと思います。

【日本セーリング連盟・ジュニア・ユース育成強化委員長 佐々木共之コメント】
世界選手権を戦い抜いた土居愛実をはじめ日本チームの頑張りを心からうれしく思っています。これまで彼女の練習環境を支えてくださったご家族や多くのスタッフの方々と共に喜びを分かちあいたいと思います。今回の成果が多くのジュニア・ユースセーラーに夢と希望を与えてくれました。私達もこれを糧にさらなる強化環境を構築すべく努力してまいります。

【土居愛実のセーリングキャリア】
小学校2年生より兄の影響でセーリングを始める(OP級)。
中学生時代、2007年度OP全日本選手権大会第3位。
高校に進学しオリンピッククラスのレーザーラジアルに乗り始める。
2009年全日本レーザーラジアル以降ラジアルユースワールド、Volvo Youth Sailing ISAF World Championship日本代表を目指して本格的にレーザーラジアルのトレーニングに取り組む。

・2009年11月  全日本レーザーラジアル兼全日本レディ-ス兼レーザー4.7選手権大会(江の島) 総合32位(ユース女子2位)
・2010年1月   レーザークラスミッドウインターレガッタ ラジアルクラス総合10位(女子5位)
・2010年3月   ISAFユースワールド日本代表選手選考レース 女子1位
・2010年4月   スプリングレガッタ2010(江の島)総合5位(女子1位)
・2010年5月   <JOCジュニアオリンピックカップ2010>兼<JSAFジュニア・ユースセーリングチャンピオンシップ2010(ユース部門)総合2位(女子1位)
・2010年7月8日-17日 Volvo Youth Sailing ISAF World Championship 2010 第10位 イスタンブール/ トルコ

大会公式サイト
http://www.laserworlds2010.co.uk/laserworlds/radial/women/radial_youth_results.htm

JSAFジュニア・ユース育成強化委員会
http://jsaf-osc.jp/Junior-Youth/JYindex.html