和歌山NTC艇庫に JOCマークを設置

2010年9月10日

和歌山NTのJOC第1エンブレム

 

文部科学省指定のナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点・和歌山ナショナルトレーニングセンター(和歌山NTC)の大型艇庫正面壁面にこのほど、JOCのマーク(第1エンブレム)が設置されました。

和歌山NTCは、国内唯一のセーリング競技に特化したナショナルトレーニングセンターとして、NPO法人和歌山セーリングクラブ(鈴木國央代表)が管理運営しています。

今回のマーク設置は、施設のシンボルとして、またトレーニングに励むセーラーのモチベーションアップのために、和歌山県、和歌山NTC、およびJSAFオリンピック特別委員会がそれを念願していたもので、当初はマークの運用管理に厳しいJOCの承認が得られず難航しましたが、三者による粘り強い交渉に理解が示され、待望の実現に至ったものです。

マークはアジア地域でも最大級といわれる巨大艇庫の正面中央部にあしらわれ、遠目からも五輪マークを視認することができ、施設の存在感を増しています。

これを契機にこれまで国際大会をはじめとする数々の大会運営、ユースジュニアの育成強化プログラム等にめざましい実績を重ねている和歌山NTCのさらなる発展が期待されます。(JSAFオリンピック特別委員会、写真/中村和哉・和歌山NTC)

NPO法人和歌山セーリングクラブ http://www.wakayama-sailing.org/

和歌山NTCの艇庫正面

和歌山NTCの全景

日本初の本格的な試み
「セーリングヨットと帆走性能」シンポジウムが開催

2010年9月4日

シンポジウムの1シーン

「セーリングヨットと帆走性能」シンポジウム(セーリングヨット研究会主催)が、8月28日(土)、東京大学山上会館において開催されました。

我が国で初めてのセーリングヨットに関する本格的なシンポジウムであり、全国から100名以上の参加者を迎えて熱心に講演会が行われました。

内容は、ヨットのための風洞試験、水槽試験、CFDと数値計算などの基本技術から、帆走性能の推定法や操縦運動シミュレーション、ニッポンチャレンジの取り組みといった帆走性能の向上に向けた応用技術、さらに大型帆船や水中翼ヨットなどの具体的な船の帆走性能や、ヨットの転覆と安全性など、セーリングヨットに関する広範囲な話題が取り上げられました。

さらに今注目を浴びている、大型船舶のCO2削減に向けた帆主機従のコンセプトの貨物帆船「ウインドチャレンジャー」プロジェクトについても詳しい紹介がありました。

また、12点のポスターと2点の展示作品が出展され、これらの説明を行うポスターセッションも行われるなど、盛り沢山な内容で終日活発な討論が交わされました。

講師陣は、それぞれのテーマについて我が国でもっとも適切と考えられる方々であり、テキストも「日本のヨット研究の普及と今後の発展を何とかしたい」という熱い思いで執筆された、本シンポジウムオリジナルのものです。

これからヨット研究を始めようとする人や、セーリングに理論的なアプローチをしたいと考えている人、そして船舶の動力源として風力の利用を考えている人達の絶好の教科書・参考書になるものと考えています。

本シンポジウムに参加頂いた方々や、ご支援いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。

なおテキストは残部がありますので、購入をご希望の方は下記のセーリングヨット研究会ホームページの「シンポジウム」欄からお申し込み下さい。(増山 豊/セーリングヨット研究会座長)

セーリングヨット研究会 http://syra.aero.kyushu-u.ac.jp/index.html

ポスターセッション。右から2人目が増山豊座長

講演の様子

第13回相模湾ヨットフェスティバルレース2010

2010年9月2日
 

 

ORC-Clubクラスで優勝したEBB TIDE

 

 

8月29日、第13回相模湾ヨットフェスティバルレース2010(主催/JSAF外洋三崎)が、41艇の参加で開催されました。
連日の猛暑が続く今夏ですが、レース当日もやはり快晴、朝から暑い一日が始まりました。

当レースは裕次郎レースを縁としていることから、小網代沖から裕次郎灯台のある名島沖マークを回航するコース設定です。

微風によるDNFを極力ださないようにするため、コース短縮できるポイントを2カ所設定しました。しかし、スタート地点からは富士山、伊豆大島、伊豆半島、房総半島まですべて見渡せるコンディションで、風向は南南西、風速はスタート時の5ノット前後から予想どおり10ノット前後まで上がり、凪倒れの心配は無用に終わりました。

スタートはフリーの追い潮で、複数艇のリコールが出て2艇が認識できずOCSとなりました。レース展開は速く、15時過ぎには全艇無事にフィニッシュしました。夏の最後の週末を飾るレースは快適なコンディションで終えることができ、ハワイ往復航空券などの豪華賞品があたる抽選会などでパーティも大変に盛り上がりました。

今回は国際VHFの普及啓発のため、海上チェックイン時のロールコール、リコール時の通告に積極的に使用しました。結果、今後の無線局運用上の課題など貴重な知見を得ることができました。(レース委員長/高橋正実)

JSAF外洋三崎 http://www.jsaf.or.jp/misaki/

IRCクラスで優勝したROUGE

オープンクラスで優勝したZETA

国体リハーサル大会 終了

2010年8月30日

全日本実業団スナイプ級

 

高松宮妃記念杯第56回全日本実業団ヨット選手権大会、第12回全日本セーリングスピリッツ級選手権大会、2010年全日本セーリング選手権大会が、8月27日から29日にかけて山口県スポーツ交流村ヨットハーバーで行われました。

これらの大会は「おいでませ!山口国体 セーリング競技リハーサル大会」として開催され、来年の山口国体のシミュレーションとして運営、行政、そしてセーラーたちも貴重な経験を積む大会となりました。

各大会の成績は下記のとおりです。

高松宮妃記念杯第56回全日本実業団ヨット選手権大会

470級
1位 エス・ピー・ネットワーク
2位 山口県セーリング連盟(オープン参加)
3位 Cest la vie(オープン参加)
4位  九州旅客鉄道
5位 愛媛県セーリング連盟(オープン参加)
6位 マツダ
7位 川崎重工ヨット部
8位 日立製作所

スナイプ級
1位 ホンダ熊本ヨット部
2位 豊田自動織機
3位 エス・ピー・ネットワーク
4位 アイシン・エーアイ
5位 オクムラボート販売(オープン参加)
6位 NTT東日本
7位 三菱重工菱友会
8位 三菱重工広島
(以下略)

第12回全日本セーリングスピリッツ級選手権大会

成年女子
1位 新谷・矢野(山口県セーリング連盟)
2位 高橋・田村(広島県ヨット連盟)
3位 谷口・森山(和歌山県セーリング連盟)
4位 山口・谷口(長崎県セーリング連盟)

少年男子
1位 小泉・吉冨(山口県セーリング連盟)
2位 伊藤・後藤(海津明誠高等学校)
3位 元津・日野(玄海セーリングクラブ)
4位 吉野・澤登(東京都ヨット連盟)
5位 渡部・新居田(愛媛県セーリング連盟)
6位 河野・山本(邑久高等学校)
7位 山本・本計(広島県ヨット連盟)
8位 永松・岡田(大分県セーリング連盟)
(以下略)

少年女子
1位 山口・白澤(玄海セーリングクラブ)
2位 若林・深沢(湘南ヨットクラブ)
3位 須河内・森口(福岡県セーリング連盟)
4位 井上・上村(邑久高等学校)
5位 長堀・久保(東京都ヨット連盟)
6位 内冨・広田(山口県セーリング連盟)
7位 原田・黒見(鳥取県セーリング連盟)
8位 山本・西屋(羽咋工業高校)
9位 村瀬・井川(広島県ヨット連盟)
10位 松浦・谷口(長崎県セーリング連盟)

2010年全日本セーリング選手権大会

ウインドサーフィン級(成年男子)
1位 鳥取雅嗣(広島県ヨット連盟)
2位 市川和典(静岡県セーリング連盟)
3位 大場敬仁(関西電力)
4位 牧野祥啓(岡山県セーリング連盟)
5位 高島知行(秋田県セーリング連盟)
6位 杉浦万正(デトロイトトーマツコンサルティング)
7位 小川達朗(東京都ヨット連盟)
8位 高下三嗣(鳥取県セーリング連盟)
9位 高木基宏(山口県セーリング連盟)

ウインドサーフィン級(成年女子)
1位 今井雅子(山口県セーリング連盟)
2位 堀川智江(神奈川県セーリング連盟)
3位 長門利恵(カネソ22)
4位 中野彩美

国体シングルハンダー級
1位 谷口斉謙(和歌山県セーリング連盟)
2位 檜皮昇太(広島県ヨット連盟)
3位 伊藤秀郎(三重県ヨット連盟)
4位 藤村裕二(山口県セーリング連盟)
5位 渡辺真吾(玄海セーリングクラブ)
6位 棚橋祐司
7位 森崎邦弘(長崎鶴洋高校ヨット部)
8位 九冨潤一郎(香川県ヨット連盟)
(以下略)

シーホッパー級SR(成年女子)
1位 谷内志緒里(石川県セーリング連盟)
2位 大原知子(広島県ヨット連盟)
3位 才木雪代(山口県セーリング連盟)
4位 冨部柚三子(東京都ヨット連盟)
5位 蛭田香名子(豊田自動織機)
6位 河原由佳(三重県ヨット連盟)
7位 松下結(長崎県セーリング連盟)

シーホッパー級SR(少年男子)
1位 高山達也(大分県セーリング連盟)
2位 森山慎太郎(山口県セーリング連盟)
3位 脇貞徳(滋賀県セーリング連盟)
4位 樋口太郎(宮崎県)
5位 国政真平(玄海セーリングクラブ)
6位 谷口紘基(玄海セーリングクラブ)
7位 山本康司(山口県セーリング連盟)
8位 前川慶太(海津明誠高等学校)
(以下略)

シーホッパー級SR(少年女子)
1位 多田桃子(玄海セーリングクラブ)
2位 高竹瑞恵(広島県ヨット連盟)
3位 国見彩乃(東京都ヨット連盟)
4位 山辺美希(福岡県セーリング連盟)
5位 平野真未(邑久高等学校)
6位 内野真亜子(大分県セーリング連盟)
7位 中山由佳(玄海セーリングクラブ)
8位 仲山好(山口県セーリング連盟)
(以下略)

国体シングルハンダー級

全日本実業団470級の優勝の前田・野呂艇(エス・ピー・ネットワーク、右)と2位の安部・山近艇(山口県セーリング連盟)

全日本セーリングスピリッツ級少年男子で優勝した小泉・吉冨艇(山口県セーリング連盟艇)

J-SAILING84号ができました

2010年8月25日
 

J-SAILING84号の表紙(photo by Sachie Hamaya)

 

J-SAILING84号が完成しました。
そろそろJSAFメンバーのお手元に届くころです。

今月号の表紙は、7月に葉山で行われたエンジョイセーリングデーから切り撮ったカットです。ヨットがまったく初めてという方々の楽しそうな表情が印象的です。

巻頭では、レーザーラジアル級ユース世界選手権で2位になった土居愛実選手のレポート。このクラス堂々の2位、快挙です。
そのほか、和歌山ナショナルトレーニングセンターで行われたジュニアオリンピックカップ、スバルザカップ、パールレースなど真夏の海を彩ったレース情報が掲載されています。

また、好評をいただいている水域紹介シリーズは、鳥取県セーリング連盟の富田博司理事長にご協力をいただき、少数精鋭ながらセーリングの普及に努力されている同連盟の活動をレポートしています。

興味深いのは、スポーツ好きな子どもたちの中からセーリング競技に才能を発揮しそうな選手を見つけようという試み「タレント発掘事業」です。鈴木國央さんにレポートしていただきましたが、福岡、山口、和歌山でその試みは着々と進んでいます。

J-SAILINGは年に6回、JSAFメンバーに直接届きます。お届け先はメンバー登録時に記載された住所になりますので、住所の変更などがあった場合は所属の各団体へご連絡ください。手続きの詳細は各加盟団体へお問い合わせください。http://www.jsaf.or.jp/dantai/

122艇が参加したスバルザカップ

子どもたちの才能を発掘しようという試みです