宮古商業高校ヨット部
地震発生時の様子

2011年4月18日

岩手県宮古市リアスハーバー宮古のセーリング仲間たちと河野会長(中央)、大谷さん(後ろの車の上)

 

東北地方太平洋沖地震が発生しておよそ3週間後。河野博文JSAF会長と大谷たかを氏が車で現地に入り、被災地のセーリング関係者を訪問するとともに、現地の状況を確認した。

そこで聞いた宮古商業高校の話を大谷さんに原稿にまとめていただいた。
大谷さんは、「ぜひ日本中の皆さん、いや世界中の皆さんにレポートしたいと思ってまとめました。話を聞いただけで体が震えました」とその時の様子を伝えてくれた。

巨大な津波がくる……
私たちはすでに閉まった防潮堤の水門の海側で車を捨てて高い防潮堤の上にあがった。
第一波はハーバーをじわじわと浸食していく……始めはこんな感じかなと思っていた。

だがハーバーの防波堤では、考えられないことが起きていた。
水の壁が見る見るうちに防波堤からあふれ出し、その瞬間、防波堤は一気に倒され、とてつもない量の水が私たちに向かって襲いかかってきた。
このままでは通常の避難場所である海面から10mほどの防潮堤の上ではひとたまりもない。
堤防につながる25mほどのほんの小さな丘の急斜面を、必死で木の枝につかまりながら、頂上まで何とかよじ登り、近くの木にしがみついた。

第二波の後の引きはものすごく、ハーバーの底が見えた。
恐ろしいほどの勢いで引いていく波が轟音をたてて渦のように移動していく中を、巨大な第三波は壁となり、白波を立てながら湾口の巨大な防波堤を破壊しながら襲ってきた。
今まで私たちが立っていた堤防を飛び越えてくる車やクルーザー、そして眼下の建物が跡形もなく押し流されていくのに唖然とし、只々、先に送り出した生徒たちの無事だけを強く祈った。

当日は宮古商業高校のFJ級3隻に顧問の先生と5人の生徒がテンダーで付き添い、ハー バー前の海面で練習をしていた。

携帯電話からは地震を知らせる嫌な音が響き、今まで一度も経験したことのないような突然の大きな揺れに、陸上に待機する高校生は座り込んで抱き合って震えている。
「津波だ!」と咄嗟に沖へ無線で知らせ、「直ちに曳航でハーバーに戻るよう」に指示。直後にすぐ「船を捨てろ」と指示。

しかし曳航作業は思うようにはかどらない。生徒たちを拾いに行こうと予備のテンダーに飛び乗って海面に向かうが、気ばかり焦る。
突然、対岸の半島からハーバーに向かっての風が吹き始めた。
まるで生徒たちをハーバーに送り届けるように。

自分の中では15分で津波がやってくると直感的に感じていたので、ゆっくりと解装する「大きな地震や津波を経験したことのない」生徒たちを金切り声をあげて叱咤する。
市内に出ていたハーバーマスターが戻り、釜石では漁港が波にのまれているとの情報を聞き、顧問の先生と生徒たちに500mほど離れた坂の上にある学校にダッシュで逃げるように指示。私たちも生徒たちの着替えを2台の車に積んで水門に向かった。

「本当に、本当に良かった。私たちはラッキーだった。もし誰か沈でもしていたら、タイミングが悪ければ……と思うと怖かった、一生懸命でした……」と涙に声を詰まらせながら、小柄なハーバーの女性職員加藤さん(宮古商業のOG)が語ってくれました。

さらに詳しいことを聞くと、海面では地震にほとんど気がつかなかったとのこと。通常から伴走艇が無線を忘れたときには、沖に届けるぐらい徹底していたことに救われた。無線の大切さを改めて思い知らされたとのことだ。

100隻近くあったヨットは大会で本部船に使う1隻のクル-ザーを残し、インターハイ用の新艇も含めて今は跡形もない。ただ見つかったのは浄土ヶ浜に打ち上げられた1隻のレスキューボート、隣の漁港の網に引っかかっていたそのボートのカギ、それに国際信号機のAPと数字旗3……

「レースは3時間延期された」を意味する残された2枚の信号旗に込められている意味は何だろうか?
きっと、今回の大被害に負けずに、今はできないけれど、3分、3時間、3週間、3カ月、3年経ったら、きっといいことがあるよ、必ずカムバックできるよ!! と神様が残してしてくれたに違いない。

なお、東北地方では仙台でも東北大学、東北学院大学、塩釜女子高校が練習中であったが、いずれも冷静かつ適切な行動で無事に避難できた。
もし、犠牲者が出ていたら日本中のセーリングが凍結してしまったでしょう。
指導者の皆さん、セーラーの皆さん、本当にありがとう!!

Q-Ton World 記念カップ 第1回受賞艇はTictac

2011年4月14日

Q-Ton World 記念カップとチームTictac(カップ左が庄野オーナー)

 

1978年に開催されたクォータートン世界選手権大会の偉業を後世に伝承するために、2010年に制作された「Q-Ton World 記念カップ」の第1回受賞艇にJSAF外洋三浦所属のTictacが選出されました。

Tictacの庄野栄一オーナーは受賞に際し、「栄えあるカップをいただき、恐縮しています。30数年前の大会に参加されたセーラーと運営関係者の皆様に心からの敬意を表します。全員がスクールの卒業生でありサラリーマンです。栄光のカップの名に恥じないように、精進努力してセーリングを続けたいと思っています」と挨拶されました。

同カップは大会30周年を記念して開かれた「記念祭り」の余剰金と祭り実行委員会有志の寄付によって制作され、併せて同カップ贈呈委員会(委員長:山﨑達光。当時大会レース委員長)が発足。

贈賞対象艇は「スタート若しくはフィニッシュが相模湾の外洋レースに於いて『当該年度に最も勇敢で優秀な成績を収めたJSAF登録艇(或いはオーナー)』の中から贈呈委員会が選考して贈呈される」と規定されています。

受賞艇プロフィール 
艇名:Tictac(JPN6370 Beneteau First 31.7) 
オーナー:庄野 栄一
ホームポート:佐島マリーナ
加盟団体:JSAF外洋三浦
レーティング:ORC-C、IRC(Normal)
2010年対象戦績:第60回大島レースORC-Cクラス優勝、第51回パールレースORC-Cクラス優勝

チームTictacは2007年ISPAクルーザースクール(岡田豪三氏主宰)卒業生7名によって創設。現在、30歳代~60歳代18人で構成(全員が社会人からヨットを始めた)。2008年シーボニア「のんびりレース」Nクラス年間総合3位。2009年ミドルボート選手権ORC-Cクラス総合6位、佐島マリーナ杯ヨットレース年間総合優勝、のんびりレース年間総合優勝。2010年から外洋レースに参戦し、前項の成績を収めたほか、のんびりレースIRCクラス年間総合2位を獲得。

Q-Ton World 記念カップ http://www.jsaf.jp/j-sailing/?m=201004&paged=3

フラッグ・ステッカー掲揚キャンペーン

2011年4月11日

JSAFでは今回の震災の復興支援活動の一環として、義援金募金活動と並行し「フラッグ・ステッカー掲揚キャンペーン」を展開することに致しました。

フラッグとステッカーをJSAFメンバーや賛同者に頒布し、継続的に掲揚することで常に記憶を呼び起こし、持続的な支援と連帯をさらに強めます。フラッグとステッカーの販売代金は全額を義援金に組み込み、東日本の被災セーラーたちを支援しようとの趣旨です。

ゴールデンウィークに各地で開催予定のレースに使いたいとの希望が早くも全国の加盟団体から寄せられています。

ステッカーはブーム、ハルあるいはクルマに貼付して使用します。詳細は下記を参照ください。

なお、ステッカーのスポンサーにはハーケンジャパン、ノースセール・ジャパン、トーヨーアサノ、リドガード・セイルス・ジャパンの4社からご賛同をいただいています。現在もさらなるスポンサーを募集中です。

■サイズ
フラッグ: 380 ×600 mm  テトロン生地 3色プリント
ステッカー: A4 シートに大・中・小の3種を各2面付け合せ
大 10cm角、中 8cm角、小 6.4cm角
スポンサー:ステッカー制作にはスポンサーを募集しております。空きスペーにスポンサーのロゴを表示いたします。

■掲示方法
フラッグ:バックステーに掲揚 、レース・イベント練習中係留いずれの場面でも掲揚
ステッカー: 自艇のブームに合わせたサイズの一組を、ブームの前から1/3の場所に左右に貼る。残りのステッカーの掲示は任意

■義援金負担額
フラッグ・ステッカー 1組5000円/組
ステッカーのみ 2000円/枚
注文単位はいずれも 20以上。
各団体にて取りまとめて申し込んでください。

■申し込み方法
団体単位で下記へ申し込み:
メールにてJSAF事業委員会支援キャンペーン事務局(jsaf_shien@yahoo.co.jp)宛てに申し込む
その際に以下の項目を明記して下さい。
・連絡先の団体名、連絡担当者名、連絡先電話番号
・注文数はフラッグ・ステッカーセット○組、ステッカー○枚と表記してください
・送付先の名称、ご担当者、住所
・振り込み予定日

■支払い方法
JSAF義援金口座に直接、振り込んでください。
振込名をフラッグ○○(団体名)と明記して下さい。
振り込み口座:ゆうちょ銀行(当)、0一九店(ゼロイチキュウ店)
郵便為替:加入者名 財団法人 日本セーリング連盟
口座番号 00150-0-157222

フラッグ・ステッカー掲揚キャンペーン
http://www.jsaf.or.jp/honbu/news/2011/document/news-04.pdf

ステッカーの見本

プリンセスソフィアカップ470級女子近藤・田畑組2位

2011年4月10日

「2011プリンセスソフィアカップ」(ISAFワールドカップ第3戦、スペイン・パルマ)は4月9日大会最終日を迎え、470級女子の近藤愛・田畑和歌子組(アビームコンサルティング)が2位となりました。

男子五輪470級では松永鉄也・今村公彦組(スリーボンド)が4位、原田龍之介・吉田雄悟組(アビームコンサルティング)が9位となりました。(オリンピック特別委員会)

2011プリンセスソフィアカップ
http://www.trofeoprincesasofia.org/portada.php?idiomaz=3
http://www.trofeoprincesasofia.org/result.php?miclase=470%20Men

JSAFオリンピック特別委員会
http://jsaf-osc.jp/

Gill 2011年ニューコレクション発表

2011年4月4日

 

東北地方太平洋沖地震において被災された皆様、ご家族、関係者の皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。

セーリングウェアのGillから、2011年ニューコレクションの案内が届きました。
ロングジョンやパドジャケなどのディンギーウェアは、かつてないほど充実しているとのこと。

商品の詳細は、下記サイトよりご覧下さい。
http://www.gill.jp/shop/

また、下記ブログでは、Gillの美しいイメージ写真を1日1枚のペースで公開しています。
http://gilljapan.blog40.fc2.com/