アメリカズカップがスペイン・バレンシアでいよいよスタートする。JSAFメンバーの西村一広さんが、7日バレンシアに入りし、早速、レース直前の現地の様子を送ってくれた。ブログ版J-SAILINGのグランドオープンを飾るアメリカズカップ・スペシャル・レポート、今後、レースが行われるごとにお送りする予定。ご期待ください!
2月6日夜(スペイン現地時間)
海洋カメラマンの矢部洋一氏とともに、成田からパリ経由でバレンシア入り。夜も更けているが、東京に比べるとずいぶん暖かい。
2月7日朝
アリンギのコンパウンドの隣の建物の中に設営されたメディアセンターに行き、メディア登録と、明日予定されている第33回アメリカズカップ第1レース観戦のために、メディアボート乗艇を予約する。
アリンギのコンパウンドでは、防衛艇〈アリンギ5〉のマストを立て、セールをセットして、出艇の準備が進められている。ファーリングしたマストヘッドジェネカーを揚げるために、船尾に搭載されているエンジンがうなりを上げている。
かたや、BMWオラクルレーシングのコンパウンドに挑戦艇〈USA〉の姿はない。〈USA〉はバレンシアの商業港のほうに仮設で設営されたコンパウンドに係留されており、朝早くドックアウトしてセーリングを始めているという。
今回の、第33回アメリカズカップが、ここ最近一般的だったアメリカズカップのフォーマットと異なり、アメリカズカップ争奪マッチの基本憲章とも言える『贈与証書』に従って行なわれることになった経緯は、月刊『KAZI』誌に数度にわけてレポートしたので、ここでは詳しい説明は割愛させていただく。
かいつまんで説明すると、第33回アメリカズカップは、贈与証書に定められている通り、先に2勝したチームが、アメリカズカップを勝ち取ることになる。レースコースは、これも贈与証書の定めに従って設置される。すなわち、第1レースは一辺20海里の、上下コース。第2レースは、一辺13海里の正三角形のコースで、最初のレグは風上に向かう。もし、第3レースが必要な場合は、第1レースと同様の、全40海里のコース。
本日の午後1時から、スタートのエントリーサイドを決めるコイン・トスが行なわれることになっている。クローズホールドで25ノット、リーチングのレグでは50ノットにも達する2隻の巨大ハイテク・マルチハル艇によるアメリカズカップが、いよいよ現実のものとして実感できるようになってきた。
レポート/西村一広
東京商船大学(現東京海洋大学)出身。プロセーラー、ヨッティングジャーナリスト。コンパスコース社代表として、レース参加、カスタム艇建造コンサルタント、セーリングコーチなど、様々な分野で活躍する。2006年には110ftトライマラン〈ジェロニモ〉のクルーとして太平洋横断世界最短スピード記録を樹立。2007年はハワイの伝統セーリングカヌー〈ホクレア〉の日本国内航海のパイロットも務めた。2月上旬にハワイで〈ホクレア〉のトレーニングに参加したの後、いったん帰国して、すぐにスペイン・バレンシアへ向かった。(レポート/西村一広 東京商船大学(現東京海洋大学)出身。プロセーラー、ヨッティングジャーナリスト。コンパスコース社代表として、レース参加、カスタム艇建造コンサルタント、セーリングコーチなど、様々な分野で活躍する。2006年には110ftトライマラン〈ジェロニモ〉のクルーとして太平洋横断世界最短スピード記録を樹立。2007年はハワイの伝統セーリングカヌー〈ホクレア〉の日本国内航海のパイロットも務めた。2月上旬にハワイで〈ホクレア〉のトレーニングに参加したの後、いったん帰国して、すぐにスペイン・バレンシアへ向かった。( http://www.compass-course.com)