アメリカズカップには独特の文化がある。
その昔、1958年から1987年にかけてアメリカズカップは国際12M級で行われていた。もっとも長くアメリカズカップに採用された艇種である。
その30年近くの間に戦ったのは防衛側、挑戦側合わせて80チーム。そこには艇長をはじめとする乗り手はもちろん、シンジケートメンバー、艇の設計者や建造者、チームのスタッフ、レース運営担当者やメディアの記者たちなど様々な立場の多くの人々がかかわり、それらすべてがアメリカズカップの構成要素だといってもいいだろう。
そんなアメリカズカップの12M級の関係者が集う12Metre Era Reunion が9月16日から19日にかけてに米国ロードアイランド州ニューポートで開催される。
期間中、12M級北米選手権が開催され、ここにはテッド・ターナーとゲイリー・ジョブソンが名艇<アメリカンイーグル>で登場の予定。そのほか、12M級のパレードがニューポートハーバー内で行われ、デニス・コナー、サー・ジェイムズ・ハーディー、ペレ・ペターソン、テッド・フッド、シド・フィッシャーなどアメリカズカップ伝説の人々が再会を果たすという。そのほかにも12M級映像のプレミア映写会や2度の講演会もありメニューは盛りだくさん。
さらにはアメリカズカップ殿堂というものがあって、そこにはすでに69人の人たちが殿堂入りを果たしているが、今年はそれに加えて新たに6人が加わるということでその式典が行われ、これがイベントの中ではもっともソーシアルなものになるとのこと。
この期間はニューポートボートショーも開催されており、このあたりは多くのセーリングファンで埋め尽くされることになりそうだ。
アメリカズカップ関係者の大いなる同窓会というところだが、国際アメリカズカップ級に移行してからのアメリカズカップの影はまったくなく、12M級の関係者のみで開催されるところがユニーク。前回のアメリカズカップにはかかわっていないニューヨークヨットクラブのイベントだけに、それもむべなるかなといったところか。