第34回アメリカズカップ本戦に至るまでのレースフォーマット。10月20日付け記事の続きです。
9月に第34回アメリカズカップ議定書が発表される前の時点で、マルチハルが採用される可能性が高いことは、多くのメディアが予想していたことで、マルチハルの採用自体はそれほど驚くべきことではなかった。
しかし開催年については、それらのメディアのほとんどが2014年を予想していた。だからこれらのメディアからの情報を集めていた人たちにとって、議定書で明らかになった第34回アメリカズカップの2013年開催は、マルチハル採用よりもサプライズだったと言える。
開催年を2013年にした理由について、防衛ヨットクラブ所属のBMWオラクルレーシングCEOのラッセル・クーツは次のように説明している。
「(第33回アメリカズカップがイレギュラーな大会になって)通常の状態から逸脱しているアメリカズカップを、正常な形で少しでも早く開催したかった。開催地候補地の事情を調査して2013年に開催できることも分かった。それともうひとつ大きなファクターは、2014年にはサッカーのワールドカップが開催されることだ。このイベントとバッティングさせてアメリカズカップを開催することは考えられない。」
サッカーのワールドカップとのバッティングを避ける、ということは、ラッセル・クーツ率いる関係者たちは、アメリカズカップをサッカーのワールドカップと匹敵するイベントとして発展させていこうとしているのだ、とも捉えることができる。
世界各地を転戦する、第34回アメリカズカップの予選シリーズは2011年6月から始まる。
2011年度(2012年3月まで)の予選シリーズには、AC45という、ウイングセール付きのワンデザイン艇が使われる。
2012年度の予選シリーズから各チームが開発・建造したAC72が使われ、世界各地を転戦して行なわれる。
2013年の第34回アメリカズカップ本戦の開催地は、複数の開催地になる可能性も示唆されていて、今年2010年の年末までに発表されるとされている。サンフランシスコ市がその最右翼だろう、と予想している関係者が多い。
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