2010年9月 のアーカイブ

日建・レンタコムカップ
第19回全日本学生女子ヨット選手権大会

2010年9月22日 水曜日

選手たちはもちろん、運営スタッフもみんな頑張ってくれました

 

日建・レンタコムカップ 第19回全日本学生女子ヨット選手権大会が9月18日から20日にかけ、全29校(470級27艇、スナイプ級30艇)が参加し、神奈川県葉山新港をベースに開催されました。

今回のレース海面はJSAFが推奨している「見せるヨット」に準じ、葉山港の防波堤からも見える距離で行われました。

 

18

18日は開会式と艇長会議が行われた後、選手たちは10時過ぎに出艇し3レースが消化されました。海面では北東のシフティーな風が入っており、とても難しく選手たちを悩ませました。

スナイプ級では関西学院大学の増川/山本組がオールトップで初日の首位にたちました。2位に早稲田大学の木内/塩出組、3位に日本大学の長塚/稲垣組と続きました。3位以下も点数差はほとんどなく、入賞争いから目が離せません。

470級で首位にたったのは日本経済大学の徳重/安田組です。安定した走りをしていました。2位には、関西大学の後藤/原口組、同点で3位に鹿屋体育大学の杉浦/牟田組が入りました。470級も点数の差がほとんどなく、目が離せない状況でした。

 

19

19日は、朝から風がなくAP旗が上がり、選手たちは風が南に上がるまで陸上待機となりました。10時過ぎから南の風がそよそよ入り、優しい南から吹く軽風域の中、3レースを消化しました。

470級では日本経済大学の徳重/安田組が1-3-1というスコアでまとめ、トップとなりました。地元の日本大学の藤井/栗栖組も今レガッタ初のトップホーンを第5レース目で鳴らし2位につけました。3位から6位まで同点で4チームが並び、熱い戦いがつづきます。

スナイプ級では、関西学院大学の増川/山本組が1-1-9というスコアでまとめ2位と10点差で1位。一方、この日、最終レースで断トツ文句なしのトップホーンを鳴らしたのは日本大学の長塚/稲垣組です。こちらのチームもこの段階で3位となり、最終レースまで目が離せません。

目が離せないのがやはり総合優勝争い。19日の時点で日本大学がトップ。わずか1点差で2位に関西学院大学。さらにトップと3点差で3位に早稲田大学がつけました。

 

20

20日は最終日。朝、ハーバーへ行ってみると風がなく、選手たちは複雑な思いで、約1時間の風待ちを強いられました。その後、風が南に回り本レガッタ一番の微風の中1レースを消化しました。

470級、スナイプ級ともに選手たちは気合いの入ったスタートとなり、ゼネラルリコールを何度も繰り返しました。

そんな中470級では早稲田大学の山口/井上組が今レガッタ初のトップホーンを鳴らし、総合3位になりました。前日まで1位の日本経済大学の徳重/安田組は最終レースも3位でフィニッシュし、2位と22点差で初優勝を飾りました。

スナイプ級は、470級がスタートした後、何度もゼネラルリコールを繰り返した後、ブラック旗が揚がり、16艇が引っかかってしまうという大波乱。この16艇の中には上位のチームが何艇かいたため、スナイプ級の最終成績は前日までと入れ替わりました。

前日までトップの関西学院大学の増川/山本組は最終レースも2位でフィニッシュし3度目の優勝を果たしました。また、2位には中央大学の樋口/久保組が入りました。

大激戦だった総合優勝争いは、日本大学と早稲田大学のスナイプチームがブラックフラッグに引っかかってしまったため、関西学院大学の勝利となりました。

 

来年は記念すべき20回大会

男子学連の力強い手伝いにより各チームの積み込みと会場の片づけを終えた後、湘南国際村にて日建さんのご協力により、盛大な表彰式とレセプションパーティが行われました。

レセプションパーティではみんなでジェンカを踊ったりし、楽しく行いました。また式の途中ではサプライズがあり、今回のレースの運営を行うにあったて陰で一生懸命働いていた全日本学生ヨット連盟副委員長の福本典子(早稲田大学)に功労賞が授与されました。

来年は、記念すべき20回大会です。各水域を勝ち抜いてきた女子選手たちの熱い戦いが葉山で行われる予定です。(レポート/全日本学生ヨット連盟広報・渡辺みづき)

 関東学生ヨット連盟 http://kg-yacht.r-cms.biz/

 

スナイプ級優勝の増川/山本組(関西学院大学)

470級優勝の徳重/安田組(日本経済大学)

葉山新港で行われた開会式

表彰式の様子

第19回全日本学生女子ヨット選手権大会

2010年9月18日 土曜日

受け付けの様子です

 

今日から第19回全日本学生女子ヨット選手権大会が始まります。

この大会は、日建・レンタコムグループの協賛を賜り、冠レースとして19年の間つづいている大会です。

2年ぶりに関東水域で開催することになり、大会会場は大葉山新港となります。

全日本女子の運営は久しぶりで不安でしたが、男子学連や役員たちに支えられて、ようやく準備が整いました。

昨日は受け付けと計測でした。
数日前から他水域の選手たちが葉山新港に来ていましたが、関東水域の大学も普段練習を行っている森戸海岸から船を移動し、全艇が葉山新港にそろい、運営側も選手側もレースの準備が整ってきたようです。

ハーバーは女の子たちだらけで、普段の雰囲気とは少し違います。
準備をしている男子学連の学生たちがいつもより楽しそうでした…。

あと数時間でレースが始まります。
9時から開会式が葉山新港で行われ、予定では11時に470級がスタートです。
各水域の予選を勝ち抜いてきた女子選手たちの熱い戦いが、いよいよ始まります!

関東学生ヨット連盟のHPで速報やレースの様子などがご覧になれます。
是非、ご覧ください。

関東学生ヨット連盟 http://kg-yacht.r-cms.biz/
速報 http://ameblo.jp/kantou-yacht/

アメリカズカップ 新旧2つの動き

2010年9月15日 水曜日

今年3月に行われたアメリカズカップではBMWオラクル・レーシンングがカップを獲得した。photo by Kazu Nishimura

 

次のアメリカズカップの新しい動きが発表されました。

9月13日バレンシアで行われた記者会見の内容によると、大きく変わるであろう点は下記の通り。

・ウイングセールを持つカタマラン艇AC72を採用
・新しいワールドシリーズを2011年からスタート
・Yuouth America’s Cupを2012年に開催
・短くて見どころの多いレースフォ-マット
・新しい船と適切な風の吹くレース海面によってレースの遅延を減らす
・効果的なコスト削減

この他、映像やインターネットコンテンツ、ウェブサイトに関することを含めていくつかの変更点があり、AC45と呼ばれるAC72のスケールダウンモデルを使ってワールドシリーズを競うこと、クルーの人数が11人になることなども発表されています。さらに、レース開催地などの最終の情報は年末までに発表される予定。

発表を行ったラッセル・クーツ(BMWオラクル・レーシンングCEO)は「新しい艇とレースフォーマットによりアメリカズカップはセーリングスポーツの頂点に返り咲くだろう」とコメントしています。

 

一方、この新しい動きをよそに、懐かしきアメリカズカップの面々と往年の名艇である国際12M級が米国ロードアイランド州ニューポートに結集します

「the 2010 America’s Cup 12 Metre Era Reunion presented by Rolex」と銘打たれたイベントが9月16日~19日、ニューヨークヨットクラブの主催で開催されるのです。

国際12M級は1958年から1987年の間、アメリカズカップに採用された艇種。もっとも長くアメリカズカップで使われていた艇種です。それらを駆ってアメリカズカップの挑戦艇選抜レースや防衛艇選抜レース、そしてアメリカズカップ本戦を戦った人や船が、期間中に行われる12M級北米選手権に参加します。昔のアメリカズカップ関係者の大いなる同窓会というところでしょうか。

テッド・ターナー、ゲイリー・ジョブソン、デニス・コナー、ペレ・ペターソン、テッド・フッド、シド・フィッシャーなどアメリカズカップの歴史を彩った多くの人々の名前が参加者の中に掲げらていますが、冒頭の新しいアメリカズカップの影はまったく見当たりません。

時を同じくして動きのあった新旧2つのアメリカズカップ。セーリングスポーツの頂点として語り継がれるこのレースはいつの時代にも多くの話題を提供してくれます。

なお、冒頭で紹介した次回のアメリカズカップの新しいレースフォーマットに関しては、近日中に本ブログで詳しい解説を掲載する予定です。

第34回アメリカズカップ公式サイト  http://www.americascup.com/  

ニューヨークヨットクラブ・イベントサイト  http://nyyc.org/AC12Mreunions/

2009年の12M級世界選手権を走るアメリカンイーグ。G.ジョブソンやT.ターナーが乗り込んだ。photo by www.Amory Ross.com

 

 

 

 

和歌山NTC艇庫に JOCマークを設置

2010年9月10日 金曜日

和歌山NTのJOC第1エンブレム

 

文部科学省指定のナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点・和歌山ナショナルトレーニングセンター(和歌山NTC)の大型艇庫正面壁面にこのほど、JOCのマーク(第1エンブレム)が設置されました。

和歌山NTCは、国内唯一のセーリング競技に特化したナショナルトレーニングセンターとして、NPO法人和歌山セーリングクラブ(鈴木國央代表)が管理運営しています。

今回のマーク設置は、施設のシンボルとして、またトレーニングに励むセーラーのモチベーションアップのために、和歌山県、和歌山NTC、およびJSAFオリンピック特別委員会がそれを念願していたもので、当初はマークの運用管理に厳しいJOCの承認が得られず難航しましたが、三者による粘り強い交渉に理解が示され、待望の実現に至ったものです。

マークはアジア地域でも最大級といわれる巨大艇庫の正面中央部にあしらわれ、遠目からも五輪マークを視認することができ、施設の存在感を増しています。

これを契機にこれまで国際大会をはじめとする数々の大会運営、ユースジュニアの育成強化プログラム等にめざましい実績を重ねている和歌山NTCのさらなる発展が期待されます。(JSAFオリンピック特別委員会、写真/中村和哉・和歌山NTC)

NPO法人和歌山セーリングクラブ http://www.wakayama-sailing.org/

和歌山NTCの艇庫正面

和歌山NTCの全景

日本初の本格的な試み
「セーリングヨットと帆走性能」シンポジウムが開催

2010年9月4日 土曜日

シンポジウムの1シーン

「セーリングヨットと帆走性能」シンポジウム(セーリングヨット研究会主催)が、8月28日(土)、東京大学山上会館において開催されました。

我が国で初めてのセーリングヨットに関する本格的なシンポジウムであり、全国から100名以上の参加者を迎えて熱心に講演会が行われました。

内容は、ヨットのための風洞試験、水槽試験、CFDと数値計算などの基本技術から、帆走性能の推定法や操縦運動シミュレーション、ニッポンチャレンジの取り組みといった帆走性能の向上に向けた応用技術、さらに大型帆船や水中翼ヨットなどの具体的な船の帆走性能や、ヨットの転覆と安全性など、セーリングヨットに関する広範囲な話題が取り上げられました。

さらに今注目を浴びている、大型船舶のCO2削減に向けた帆主機従のコンセプトの貨物帆船「ウインドチャレンジャー」プロジェクトについても詳しい紹介がありました。

また、12点のポスターと2点の展示作品が出展され、これらの説明を行うポスターセッションも行われるなど、盛り沢山な内容で終日活発な討論が交わされました。

講師陣は、それぞれのテーマについて我が国でもっとも適切と考えられる方々であり、テキストも「日本のヨット研究の普及と今後の発展を何とかしたい」という熱い思いで執筆された、本シンポジウムオリジナルのものです。

これからヨット研究を始めようとする人や、セーリングに理論的なアプローチをしたいと考えている人、そして船舶の動力源として風力の利用を考えている人達の絶好の教科書・参考書になるものと考えています。

本シンポジウムに参加頂いた方々や、ご支援いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。

なおテキストは残部がありますので、購入をご希望の方は下記のセーリングヨット研究会ホームページの「シンポジウム」欄からお申し込み下さい。(増山 豊/セーリングヨット研究会座長)

セーリングヨット研究会 http://syra.aero.kyushu-u.ac.jp/index.html

ポスターセッション。右から2人目が増山豊座長

講演の様子