2010年9月 のアーカイブ

2013年開催予定
第34回アメリカズカップについて(その2)

2010年9月30日 木曜日

 

第34回アメリカズカップ議定書は9月13日に発表された。右はラッセル・クーツ photo by Gilles Martin-Raget

 

(1)第34回アメリカズカップ議定書の基本理念

発表された第34回アメリカズカップの議定書の中で、アメリカズカップ関係者やファンの間でもっとも注目を集めたのは、どんな艇種が採用されたのかだろう。

挑戦を目論んでいるチームにとっては、次回のマッチで採用される艇がモノハルかマルチハルかによって、艇の研究・開発やトレーニング・プログラムの最初のアプローチがまったく異なってくるからだ。
もちろん、チームに雇い入れるデザイナーやビルダー、セーラーの選択にも、大きく影響する。

第34回アメリカズカップで採用されることになったのは、全長72フィートのウイングセール付きのカタマランである。
このAC72と呼ばれるクラスの詳細については、項を改めて詳しく説明することにする。

艇種のほかに今回の議定書で注目されるのは、レースを運営するのが、挑戦者サイドと防衛者サイドから完全に独立した組織であるアメリカズカップ・レース・マネージメント(ACRM)になるということ。
そして、2011年から本戦までのあいだ毎年開催されるアメリカズカップワールドシリーズという、これまでのアメリカズカップでは見られなかったまったく新しいレースフォーマットが登場した、という2点だろう(最終的な挑戦者決定戦と防衛者決定戦のレースフォーマットについては、後日発表される)。

これまでのアメリカズカップの歴史の中で「必須条件」だとも考えられてきたモノハル艇に決別してマルチハルを採用するという思い切った決定に加えて、上記の2つこそが、160年近い歴史を持つアメリカズカップで防衛者たちが作ってきたこれまでの議定書と一線を画すものであり、未来のアメリカズカップの方向性を模索した結果の「理念」を表わしていると思う。

さて、前回の第33回アメリカズカップの防衛者だったスイスのアリンギは、レースのジュリーを自分たちで任命しただけでなく、レース運営自体をも自チームに有利なようにコントロールしようとしたことはよく知られた事実だ。

2010年2月14日のバレンシアでの第33回アメリカズカップ第2レースでのこと。

(さらに…)

ツインズ

2010年9月29日 水曜日
 

さわやかツインズ

 

千葉国体が終了しました。
J-SAILINGのカメラマン、ハマヤからの現地レポートです。

国体は29日の最終日にしてやっとお天気が回復。

この日は女子の成年女子シーホッパー、少年女子シーホッパー、成年女子セーリングスピリッツ、少年女子セーリングスピリッツの4レース。

セーリングスピリッツは成年女子、少年女子ともに僅差の展開で、最終レースですべてが決まる大事なレース。

このレースで注目されたのが少年女子セーリングスピリッツの佐賀県代表山口優選手。

実は山口選手、二卵性の双子で、昨日の少年男子セーリングスピリッツで優勝を決めた福岡県代表の山口寛規選手の双子の姉。

山口優選手が優勝すれば、「双子で優勝」と素敵な展開に。

そして、期待通り山口優選チーム優勝。

「すごいですね! 双子で優勝!!」と話しかけたところ、山口寛規選手が「優勝した時にしていたネックレスを姉(山口優選手)に貸してたから」。

そんな話を聞かせてくれた山口寛規選手。
山口優選手もニコニコしながら話をしてくれました。

双子優勝おめでとうございます。

双子っていいですね。(レポートと写真/濱谷幸江)

 

千葉国体 http://www.kokutai-2010chiba.jp/
ハマヤはTwitterでも呟いています。@sachie_photo
ブログもあります。http://ameblo.jp/sachie-gumi/

2013年開催予定
第34回アメリカズカップについて

2010年9月29日 水曜日

第34回アメリカズカップの議定書

第34回アメリカズカップの議定書(プロトコール)が発表された。日本にはそれほど関係ないかなかと思っていたら、「次はどうなるんだろうか」という会話が日本人セーラーの間でしばしば交わされているという。そこで、アメリカズカップの動向に詳しい西村一広さんに解説をお願いした。ただし、かなり複雑な内容なので、数回に分けてのブログ掲載となる。まずは、プロローグとして2007年のおさらいから。(編集部)

2007年7月3日。スイスのジュネーブ・ヨットクラブ所属のアリンギの勝利で第32回アメリカズカップが終了した。そしてそのわずか2日後、アリンギは素早く第33回アメリカズカップ議定書を発表。しかし、その議定書が発端となって、第33回アメリカズカップは迷走に次ぐ迷走を始めた。

その議定書が発表されるとすぐに、BMWオラクルレーシングをはじめとする複数の挑戦予定チームが、あまりに防衛側有利に作られているその議定書にいっせいに反発した。

それにつづき、挑戦者代表として防衛側から指名されたスペインのヨットクラブが、防衛側が不正に仕立てた、会員さえいない実体のない傀儡(操り人形)ヨットクラブであることが判明した。

この辺りから第33回アメリカズカップは2年半にわたる裁判所での混乱に突入したのだったが、今年2010年2月、裁判所から正式に挑戦者代表として認められた米国サンフランシスコのゴールデンゲイト・ヨットクラブが送り出したBMWオラクルレーシングが、圧勝で第33回アメリカズカップを制したのは、ご存知のとおり。

つまり、前回の第33回アメリカズカップの混迷は、あまりに防衛者側に有利で、アンフェアな議定書から始まった。

だから、前回の挑戦者たちの急先鋒になって防衛側と裁判所で徹底的に闘い、2年以上をかけて海上での一騎打ちに持ち込み、そこで正々堂々とアメリカズカップを勝ち取ったゴールデンゲイト・ヨットクラブが、自らで定めた提出期限までに、どのようにフェアな第34回アメリカズカップ議定書を作り上げてくるのかに、挑戦を目論んでいる関係者たちの関心が集まっていた。

(さらに…)

国体の報道艇

2010年9月29日 水曜日

出艇を待ちわびる選手たち

 

 

千葉国体は今日が最終日。
J-SAILINGのカメラマン、ハマヤからの現地レポートです。

昨日も国体は雨にたたられました。

風があまり吹いていないため、なかなかレースが始められない。

選手のみんなも出艇をひたすら待っている。

お昼前、少し風が吹いてくるという事でようやく出艇することに。

突風が注意される中みんないっせいに船を出す。

やっと出てきた海面。
しかし雨が土砂降り。

新聞記者たちはレインコートこそ来ているがずぶぬれ。

ここまで土砂降りだとレインカバーだけではどうしようもない。

そこで登場したのがこのブルーシート。

船に縛って屋根を作り、急遽中へ逃げ雨を凌ぐ。

雨は一瞬だったのだが強い雨だった。

レースも終わり、あがってくる頃にようやく日差しが入ってくる。
もう少し早く晴れてくれれば良かったのに、なかなかそうはいきませんね。(レポートと写真/濱谷幸江)

 

千葉国体 http://www.kokutai-2010chiba.jp/
ハマヤはTwitterでも呟いています。@sachie_photo
ブログもあります。http://ameblo.jp/sachie-gumi/

 

昨日、夕方から急に晴れた空

雨の国体

2010年9月28日 火曜日

 

傘を差しつつレース海面を見つめる観戦者

 

千葉国体はレースが始まって3日目を迎えました。
J-SAILINGのカメラマンであるハマヤからの現地レポートです。

 

今日は朝から雨。
昨日に比べて風は吹いているので、選手にとってはいいレースになるかもしれません。

しかし写真を撮る私からしてみれば、厄介なお天気。
自分もオイルスキンを着るように、カメラもかっぱを着せねばなりません。

雨の日なのに、陸上から多くの観客がレースを見守っているのですが、これはこれで大変。そこで、国体会場にある特設スペースをご紹介。

ここは日頃、休憩スペースとして開放されているのですが、そこには大型ビジョンがあり、レースの放送と解説が行なわれているのです。

ヨットをまったく知らない人でもわかるようにていねいに解説され、レースコース、レース艇の動きなどがスクリーンに大きく映し出されるので解りやすい。解説はJSAF常務理事の青山篤さん。ご苦労様です。

ここなら濡れずに、しかも選手たちの動きが大きく見えるので観戦にはおすすめです。ちなみに、会場である稲毛マリーナの一番高い場所から撮影されています。(写真とレポート/濱谷幸江)

 

千葉国体 http://www.kokutai-2010chiba.jp/

 

 

特設スペースでは大型スクリーンを使って解説が行われています

稲毛マリーナの一番高い場所から撮影されています