沖縄のレースの楽しみは、何といっても温暖な気候の中、島々を巡りながらのレース、毎回盛り上がるパーティ、クルージングを楽しみながらの帰港……まるまる2日間たっぷりと海を堪能できるのが魅力です。
今回ご紹介する「OCEAN CUP 2010 第20回宜野湾~久米島レース」は、沖縄のレースの中でも55マイルと長距離の部類に入りますが、毎年コンスタントに20艇以上が参加、県内だけでなく本土からの参戦も近年増えつつあります。今年で20回の節目を迎える伝統のレースです。
長距離といっても、30ftクラスのクルージング艇やカタマラン艇も数多く参戦しているのが特徴。多くの仲間と島へ行くという楽しみや、第1回からずっとスポンサードをいただいている「リゾートホテル久米アイランド」で行われるホスピタリティあふれるパーティにあるといっても過言ではないでしょう。天気がよければ、ホテルの中庭で開催されるパーティは、食いしん坊のヨット乗りたちを満足させる料理や、毎年工夫を凝らしていろんな演出やゲスト出演で楽しませてくれます。
ちなみにスタート時刻は午前6時と、数あるレースの中でも最も早い部類に入りますが、「小型艇がパーティに間に合わない」という理由で、現在の時刻になったとか。
例年レースが開催される5月末の沖縄は梅雨の真っただ中。梅雨前線の動きによって、風も海況も天気もガラッと変わります。その変化をどう読み、セッティングするかも、各チームの腕の見せどころです。
今年はあいにくの雨模様。東の微風、スピンでのスタートとなりましたが、その後予報どおり風は徐々に南~南西とシフト。座間味を過ぎ、渡名喜島を超えるあたりからは風速も上がり、各艇ともセールチェンジ。このあたりの選択が勝敗を左右したようです。
マックスでは40ノット近くまで達するなど、ハードなレースとなりましたが、大きなトラブルもなく、全艇が久米島兼城港に錨を下ろしました。先頭集団は平均9ノット強の激走で12時すぎにはフィニッシュ。ファーストホームは<Jazz>、修正では<ココリンオキナワ>が2年ぶりの優勝を果たしました。
雨のためバンケットルームでの開催となったパーティですが、変わらぬ大盛況。スペシャルゲストには、あの尾崎紀世彦さんがサプライズで登場。参加者から幾度となくアンコールを求められていました。
もうほどなくすると、沖縄は梅雨明け。本格的な夏がやってきます。(レポート/伊藤 烈、写真/大濱当吾)