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アメリカズカップ・スペシャル・レポート1

2010年2月7日 日曜日

アメリカズカップがスペイン・バレンシアでいよいよスタートする。JSAFメンバーの西村一広さんが、7日バレンシアに入りし、早速、レース直前の現地の様子を送ってくれた。ブログ版J-SAILINGのグランドオープンを飾るアメリカズカップ・スペシャル・レポート、今後、レースが行われるごとにお送りする予定。ご期待ください!

2月6日夜(スペイン現地時間)

海洋カメラマンの矢部洋一氏とともに、成田からパリ経由でバレンシア入り。夜も更けているが、東京に比べるとずいぶん暖かい。

2月7日朝

アリンギのコンパウンドの隣の建物の中に設営されたメディアセンターに行き、メディア登録と、明日予定されている第33回アメリカズカップ第1レース観戦のために、メディアボート乗艇を予約する。

アリンギのコンパウンドでは、防衛艇〈アリンギ5〉のマストを立て、セールをセットして、出艇の準備が進められている。ファーリングしたマストヘッドジェネカーを揚げるために、船尾に搭載されているエンジンがうなりを上げている。

かたや、BMWオラクルレーシングのコンパウンドに挑戦艇〈USA〉の姿はない。〈USA〉はバレンシアの商業港のほうに仮設で設営されたコンパウンドに係留されており、朝早くドックアウトしてセーリングを始めているという。

今回の、第33回アメリカズカップが、ここ最近一般的だったアメリカズカップのフォーマットと異なり、アメリカズカップ争奪マッチの基本憲章とも言える『贈与証書』に従って行なわれることになった経緯は、月刊『KAZI』誌に数度にわけてレポートしたので、ここでは詳しい説明は割愛させていただく。

かいつまんで説明すると、第33回アメリカズカップは、贈与証書に定められている通り、先に2勝したチームが、アメリカズカップを勝ち取ることになる。レースコースは、これも贈与証書の定めに従って設置される。すなわち、第1レースは一辺20海里の、上下コース。第2レースは、一辺13海里の正三角形のコースで、最初のレグは風上に向かう。もし、第3レースが必要な場合は、第1レースと同様の、全40海里のコース。

本日の午後1時から、スタートのエントリーサイドを決めるコイン・トスが行なわれることになっている。クローズホールドで25ノット、リーチングのレグでは50ノットにも達する2隻の巨大ハイテク・マルチハル艇によるアメリカズカップが、いよいよ現実のものとして実感できるようになってきた。

レポート/西村一広
東京商船大学(現東京海洋大学)出身。プロセーラー、ヨッティングジャーナリスト。コンパスコース社代表として、レース参加、カスタム艇建造コンサルタント、セーリングコーチなど、様々な分野で活躍する。2006年には110ftトライマラン〈ジェロニモ〉のクルーとして太平洋横断世界最短スピード記録を樹立。2007年はハワイの伝統セーリングカヌー〈ホクレア〉の日本国内航海のパイロットも務めた。2月上旬にハワイで〈ホクレア〉のトレーニングに参加したの後、いったん帰国して、すぐにスペイン・バレンシアへ向かった。(レポート/西村一広 東京商船大学(現東京海洋大学)出身。プロセーラー、ヨッティングジャーナリスト。コンパスコース社代表として、レース参加、カスタム艇建造コンサルタント、セーリングコーチなど、様々な分野で活躍する。2006年には110ftトライマラン〈ジェロニモ〉のクルーとして太平洋横断世界最短スピード記録を樹立。2007年はハワイの伝統セーリングカヌー〈ホクレア〉の日本国内航海のパイロットも務めた。2月上旬にハワイで〈ホクレア〉のトレーニングに参加したの後、いったん帰国して、すぐにスペイン・バレンシアへ向かった。( http://www.compass-course.com

第1レースを明日に控え、出艇の準備をする第33回アメリカズカップ防衛艇〈アリンギ5〉。photo by Kazu Nishimura

知っていますか「日本ボート・オブ・ザ・イヤー」
2009年の候補艇が出揃いました

2010年1月30日 土曜日

日本ボート・オブ・ザ・イヤー(主催/日本ボート・オブ・ザ・イヤー実行委員会)は、日本で市販されるモーターボート(国産艇、輸入艇、水上オートバイを含む)の中から年間を通してもっとも優秀なボートを選定しています。

昨年度から始まったこの試み、選定されたボートに「日本ボート・オブ・ザ・イヤー」のタイトルを授与し、その開発、製造時業者を表彰するものです。性能・品質・安全性のいっそうの向上を促し、安全、地球環境保護、業界の発展に寄与すること、また、より多くの人々にプレジャーボートを知っていただく機会を提供することなどが目的です。 

カー・オブ・ザ・イヤーのプレジャーボート版という趣ですが、セールボートがその対象に入っていないのが少々残念なところ。しかし、海好き、船好きの人々にとっては興味ある試みであります。

選考対象のボートのジャンルは国産小型艇、中型艇、大型艇、輸入小型艇、中型艇、大型艇そしてPWC(水上オートバイ)の7部門に分かれています。2009年度の第一次選考結果は2月5日に発表され、その後、最終選考発表が3月「ジャパンインターナショナルボートショー2010」会場(神奈川県・パシフィコ横浜)内で行われます。

昨年は、事前投票で「シーレイ38 サンダンサー」と「ポーナム28L」が同点となり、ボートショー会場で24 名の選考委員による最終投票が行われた結果、トヨタ自動車の「ポーナム28L」に決定したという展開でした。

さて、今年はどんなボートが受賞するのか、注目してみたいと思います。
日本ボート・オブ・ザ・イヤー2009の第一次選考の候補艇一覧はhttp://www.marine-jbia.or.jp/boat-of-the-year/でご覧になれます。


昨年のボート・オブ・ザ・イヤー最終発表会の様子

日本海洋記者クラブ新年会JSAFスタッフも参加

2010年1月28日 木曜日
2010年1月27日、日本海洋記者クラブの新年会が開催されました。
任意団体であるこのクラブは、海を舞台にメディア活動をする専門誌スタッフやフリーランスのライター、カメラマンなどが所属、運営する会です。

この集まりはその昔、リゾート法(総合保養地域整備法)が制定されたのをきっかけに、この法律は海をフィールドにするスポーツやレジャー界にとって有益かどうかを検証しようという「疑い」をもって、勉強会を開催したことで始まりました。リゾート法は1987年に成立したのですが、その後、廃止されました。同クラブは勉強会の当初から、この法律はあまり役に立たないぞ、と考えていたのですが、それなりにしっかとりした批評眼を持っていたと思います。

ともあれ、リゾート法検証がきっかけで始まった同クラブは、その後さまざまなテーマの勉強会を重ね、創立から20数年も経った今も、連綿と同様の活動を続けているのです。

さて、今年の新年会は東海汽船のレストラン・クルーズ船〈ヴァンテアン〉で行いました。東海汽船の山崎社長は海洋記者クラブのゲストスピーカーを何度も務めていただいた方で、その昔は専門誌の記者やカメラマンと「海のレジャーはいかにすれば活性化できるか」を深夜まで熱く語り合った仲間です。その縁もあって〈ヴァンテアン〉での開催となったのですが、記者クラブのメンバーにゲストも加えて30数名のこじんまりした、しかし「海のレジャーをより一層、活発にしたい」という熱い思いがこもった新年会でした。

ゲストの中にはトレーニング帆船の関係者、外洋レース艇の乗り手、海洋カメラマン、海洋イラストレーター、ヨット専門誌スタッフなどセーリング関係者も多数集まりました。JSAF広報委員会所属の私も同クラブの発足時からのメンバーであり、当日はJSAFの広報資料を持ち込み、セーリングの普及や理解のために一役を担ったのでありました。

新年会に集まった海のメディア関係者30数人

新年会には様々な人が集まったが、写真の彼はLEDを利用したキャップをお披露目に登場。風止めをしっかりすれば、夜のハーバーや外洋艇でも使えるかも。http://yumeya.jp/

「JSAF海の絵画コンテスト2009」入賞作品決定!

2010年1月24日 日曜日

JSAF環境委員会が昨年7月に発表した「JSAF海の絵画コンテスト2009」に対して、昨年11月の締め切りまでに、全国から260余りの作品が寄せられました。

テーマを「ヨット(舟)のある風景」とし、応募資格を小中学生としましたが、JSAFに届いた子どもたちの絵はどれもが素直な筆使いで、美しく、そして楽しく、力強く、観る側に訴えかける力にあふれていました。芸術は心の文化であると同時に、自然を意識する心もまた文化であることを強烈に思い起こさせる企画となりました。

すべての応募作品を、海や船の絵を数多く描き、セーリングをこよなく愛しておられる柏村勲画伯、世界的なマリンイラストレーターの高橋唯美さんのお2人に鑑賞していただき、小学生低学年(1~3年生)、小学生高学年(4~6年生)、中学生の部に分けてお気に入りの作品を選んでいただきました。どれもが優劣つけがたい作品ばかりでしたが、そのなかからもっとも印象的な作品「カモメとヨット」をグランプリ&JSAF会長賞に決定しました。

 グランプリ&JSAF会長賞   古倉 茜梨

入賞作品の応募者にはJSAFから賞状と記念品を贈呈。また、グランプリ&JSAF会長賞となった「カモメとヨット」は、JSAF環境委員会が制作する2010年「海の日」記念ポスターの絵柄として使用することになっています。さらに、受賞作品はボートショー会場(3月4~7日・神奈川県・パシフィコ横浜)のJSAFブースで展示する予定になっています。

このコンテストはJSAF環境委員会が行っている環境キャンペーンの一環として実施したものです。描き手としての子どもたちはもちろんですが、絵を鑑賞する側の大人たちに対しても、海をはじめとした自然環境を意識する機会を提供しようと企図しましたが、その成果は十二分に現れたと思います。

小学生低学年金賞小学生低学年 金賞
小学生低学年銀賞小学生低学年 銀賞
小学生低学年銅賞小学生低学年 銅賞
寺内 さくら 三宅 祐加 堀江 綾乃
小学生高学年金賞小学生高学年 金賞
小学生高学年銀賞小学生高学年 銀賞
小学生高学年銅賞小学生高学年 銅賞
佐藤 練達 大竹 こころ 吉野 滉一
中学生 金賞中学生 金賞
中学生銀賞中学生 銀賞
中学生銅賞中学生 銅賞
肱岡 紗弓 飯島 麻衣 増渕 理沙

映画の紹介

2010年1月12日 火曜日
海の金魚出演者

「海の金魚」の出演者5人。左からケイイチ(賀来賢人)、ミオ(入来茉里)、キヨミ(田中あさみ)、マサル(白石隼也)、ヨウスケ(柄本時生)

ずは、今春公開される映画の話題から。 

青春ヨットムービー「海の金魚」3月に公開!セーリングシーンが満載の映画です

 今年3月、火山めぐりヨットレースをフィーチャーした映画「海の金魚」が公開されます。まずは九州地区で先行公開され、4月からは東京・新宿を皮切りに全国で公開されるそうです。
 昨年末、ラッシュと呼ばれる編集初期段階の作品を見ましたが、なかなかに軽快な映画です。
 主人公は2人の女の子。1人は小説家で外洋ヨット乗りを父に持ち、今は1人クルーザーで生活するミオ(入来茉里)。もう1人は前の学校でヨット部に所属していた転校生キヨミ(田中あさみ)。この2人にヨット部のマサル(白石隼也)、キヨミの転校先での同級生ケイイチ(賀来賢人)、そして何かとミオを気遣うヨウスケ(柄本時生)が加わり、話は進みます。
 ストーリーは見てのお楽しみですが、出演者の5人はヨットに関してはズブの素人。そこで撮影前に神奈川県・油壺と葉山でクルーザーとディンギー、そしてロープワークなどのトレーニングを受けたそうです。その特訓の成果は映画に如実に表れていますので、そのあたりも要チェックです。
 また、脇を固めるのは吉瀬美智子、高嶋政宏、芳本美代子、小島よしお、麻宮美果など映画やテレビ、CMなどでお馴染みの面々です。
 JSAFはJSAF外洋南九州、鹿児島県セーリング連盟などとともにこの映画の後援をしています。シナリオ段階でのアドバイス、広報面での協力などを行いましたが、この映画が1人でも多くの方々の目に触れることにより、セーリングの普及に役立てばとの思いからです。
 映画の詳しい内容はhttp://www.umikin.com/をご覧ください。