‘トピックス’ カテゴリーのアーカイブ

インビテーショナルカップ2011の招待状が到着
JSAFは公募でチーム選出の予定

2010年4月24日 土曜日

NYYCインビテーショナルカップ2009の1シーン(Photo by Dan Nerney/NYYC)

昨年、米国ニューヨークヨットクラブ(NYYC)の主催で第1回が開催されたインビテーショナルカップが2011年も行われます。

このレースは世界の有力ヨットクラブが競う国際レース。昨年のレースの様子はJ-SAILING79号に植松眞JSAF副会長のレポートで紹介しましたが、JSAFが3位に入っています。14カ国から19チームが参戦し、スワン42を駆って4日間に11レースを行う内容でした。

さて、2011年の第2回開催に気合を入れるNYYCですが、今年9月に早々と国内予選を行うと発表しました。26の国内ヨットクラブに3つの国内代表枠を競わせる意向のようです。

一方、昨年のレースで6位までに入ったチームには2011年レースの参加資格が与えられるとなっていましたが、1月下旬、JSAFに正式な招待状が届きました。これを受けてJSAFは公募で遠征チームを選出する方針を立てています。

公募の概要はJ-SAILING82号に掲載しています。

なお、インビテーショナルカップのほかに、今年9月に行われる中日韓の日照レース(中国・日照)、同じく11月開催予定のチャイナカップ(中国・深セン)、青島メイヤーズカップ(中国・青島)などの外洋艇の国際レースの招待状、参加要請状がJSAFへ続々と届いています。

これらについても、JSAFホームページに詳細情報を掲載する予定ですが、こちらも参加希望チームを公募する予定です。

インビテーショナルカップ www.nyyc.org

昨年、JSAFチームは3位に入った(Photo by Dan Nerney/NYYC)

昨年のレースに参加したJSAFチームの面々(Photo by Dan Nerney/NYYC)

J-SAILING82号ができました

2010年4月22日 木曜日

J-SAILING82号の表紙(photo by Sachie Hamaya)

J-SAILING82号が完成しました。
そろそろJSAFメンバーのお手元に届くころです。

今月号の表紙は、昨夏、神奈川県葉山新港で開催されたエンジョイセーリングデイ(レディース委員会主催)の1シーンです。初めてセーリングを経験したという皆さんの表情が、とても爽やかです。

本号では、巻頭でオリンピック特別委員会の2010年度ナショナルチーム選考レースの様子を中村健次JSAFナショナルコーチがレポートしています。それにつづき、選考選手を顔写真つきでご紹介。

また、好評をいただいている水域紹介シリーズは、外洋南九州の宇都光伸会長と鹿児島県連の橋元幸一理事長のご協力を得て、鹿児島県錦江戸湾をレポートしています。

そして、特筆すべきは和歌山ナショナルトレーニングセンター(NTC)にオープンした「和歌山NTCセーリングライブラリー」のレポートです。これはセーリング映像専門の検索データベースシステムですが、セーリングに関係する映像のアーカイブや映像版セーリング教科書をインターネット上で共有しようという新しい試み。記事をじっくり読んで、メンバーの皆さんもこのシステムを利用してください。

さらに、JSAFが参加チームを公募する2011年インビテーショナルカップ(米国開催)の概要、470級とマッチレースで優勝したアジア選手権(中国・広州)のレポート、14年目を迎えた日本ヨットマッチレース協会のレポートなども掲載しています。

J-SAILINGは年に6回、JSAFメンバーに直接届きます。お届け先はメンバー登録時に記載された住所になりますので、住所変更などがあった場合は所属の各団体へご連絡ください。手続きの詳細は各加盟団体へお問い合わせください。http://www.jsaf.or.jp/dantai/

和歌山NTCセーリングライブラリーの紹介は本誌14ページを参照(photo by Kazuya Nakamura)

鹿児島の象徴的な存在となる桜島が、錦江湾レポートのビジュアルを飾ります。本誌9ページを参照(写真提供・社団法人鹿児島県観光連盟)

コラム 「海のファッションにはワケがある」

2010年4月14日 水曜日

Illustration by Tadami

時間を経たモノにまつわる話には諸説ありますが、海のファッションもその伝統を紐解こうとすると、さまざまなエピソードが聞こえてきます。そんなエピソードをご紹介するこのコラム。へぇー、そんなワケがあったのか・・・・・・とちょっと驚いてください。

第1回は「Pコート」の話です。

過ぎた冬、Pコートを着た若者を多く見かけました。
そもそもPコートは、英海軍の軍服として艦上で使用され、漁師にも広く愛用された作業服が原点だそうです。手袋を着けたまま使える大きなボタンや縦ポケットが特徴で、男女兼用で使え、ボタン破損にも対処できるなどの利点も多く、マリンファッションの定番アイテムとして継承されて来ました。

最大の特徴は イラストのように風向きに合わせて左右の上前を変え、衣服内に吹き込む風を減らし、体温低下を防ぐデザインになっていることです。極寒の海に生きた人々の創意工夫には、驚きを超えた感激さえ覚えます。ちなみにPコートのPはパシフイックの頭文字と言われていますが、定かではないようです。

さて、最近のファッション界はマリンフアッションヘの注目が高まっています。
ファッション業界にはファストフードに倣った ファストファッションという言葉があります。ファアストファッションとは流行を取り入れた低価格で手軽に買える衣料品を指し、今や大きな市場規模に成長ました。

その反動から流行に左右されず、安心して長く愛用できるファッションを望む声も高まり、伝統的で安定感もあり上品なイメージを持つマリンファッションが注目を集めているのです。

改めて考えると、マリンファッションはファストファッションの対極にあるスローファッションということができるでしょう。
洋服に限らず、トラデイショナルで普遍性が高く、人々の生活に根ざした海文化の素晴らしさを見直し考えを学ぶ時代が再来しているようです。

ハンガリーからメールが届きました

2010年4月12日 月曜日

MB SAILING協会という組織からの「ヨットレース体験キャンペーン」の広告です。クルーとしてヨーロッパのレースに有料で参加しませんかという内容で、キャンペーン参加費用は「最低入札価格10万円」の入札方式で決定するという風変わりなもの。

案内によると、日本・ハンガリー間の航空券は自己負担で、ブタペスト空港に着いてからの交通費、食事、宿泊、レース参加費用、トレーニング費用などは入札価格に含まれるとしています。

珍しい内容なので紹介する次第ですが、しかし、JSAFとの関連はまったくない組織で、しかも初めてコンタクトしてきたところです。そこで、どんな組織なのかと在日ハンガリー大使館に問い合わせたのですが、大使館でも詳細はわからないとのこと。というわけで、興味をお持ちの方はくれぐれも自己責任において対応していただけますようお願いいたします。
なお、下記の文章は送られてきたメール内容をそのままコピーしたものです。

セーリングと国際交流にご興味のある方へ

MB SAILING セーリング協会は、日本の方を対象に、ヨットレース体験入札キャンペーンを宣言します。
一番速いレーシングヨットの一つの「嵐丸」のクルーメンバーとして、ヨーロッパの著名なヨットレースに参加していただきます!
ヨーロッパで初めての大チャンス!!!
先端技術を活用して作られたLIBERA  Aクラスの帆船に乗って、ヨーロッパの湖用レーシング帆船の一大競技を体験していただきます!!!
詳細については、以下のリンクをクリックして下さい。
http://www.mbsailing.hu/index.php/ja/utanpotlas

キャンペーンの広告の表紙です

「Q-ton World 1978 記念カップ」が完成

2010年4月6日 火曜日

カップの門出にふさわしい強風の洗礼を受けたお披露目式

 

「Q-ton World 1978」と言ってもわかる人は少ないでしょう。

「Q-ton」とは「クォータートン」のこと。それでは「クォータートン」っていうのは何? となりますが、これは外洋ヨットのクラスのひとつ。IOR(インターナショナル・オフショア・ルール)という外洋レース艇を規定するルールがあり、そのIORで定められたクラスのひとつが「Q-ton」で、これに属するヨットの全長はおよそ24~26フィート。ほかにも「1/2ton」(ハーフトン)、「3/4ton」(スリークォータートン)、「1ton」(ワントン)というクラスもあり、JSAFの特別加盟団体である日本ミニトン協会は「クォータートン」の下のサイズの「ミニトン」ということなのです。

前置きが長くなりましたが、その「Q-ton」の世界選手権が1978年に日本で開催されました。「すばらしい大会を開催しよう」、「地元大会で優勝しよう」、「俺の船が一番速いと証明しよう」とばかりに日本のヨット界は燃えに燃え、老いも若きも外洋セーラーたちはこのレースに命をかけんばかりに熱中したのでした。

今回、当時の勇者たちの熱い気持と誇りを後世に長く伝えるとともに、「外洋レースの活性化を図っていこう」との趣旨で、当時のレース実行委員会有志によって記念カップが制作され、そのお披露目が4月2日、神奈川県葉山町で行われました。

お披露目に際し、カップの趣旨とその運用に関する下記の一文が戸叶幹男さんから寄せられました。(Web J-SAILING編集部)

 

外洋レースの勇者に贈る

 

「Q-ton World 1978」は外洋ヨットの世界選手権として国内で開催された唯一の大会であり、30ノットの吹き荒れる相模湾と伊豆諸島を舞台に多くの伝説を残す大会だった。その「Q-ton World 1978」の存在をひとつのカップに残すことになった。

今では語り草となった昼夜徹しての240マイルの激走は、新たな針路を外洋ヨットの復活を目指すことへの出帆となった。外洋ヨットの発展は当時運営委員長を務めた故石原裕次郎さんの遺志であり、関係者の思いでもあった。

去る4月2日、葉山町森戸神社で裕次郎さんの石碑に完成の報告をした後、祝詞奏上を受け、滞りなく入魂式は終了した。当日はあいにくの強風で大荒れとなったが、まさにカップの門出にふさわしい記憶に残るお披露目式となった。

一昨年、葉山新港での同大会30周年記念「祭」が開催されたが、その時の実行委員長であった山崎達光氏、副委員長の松田菊雄氏他らの有志によって、その折の余剰金の活用を形あるものとして、大相撲の優勝カップに負けずとも劣らない大きさの「Q-ton Cup1978記念カップ」を制作した。高さ1mと25cm四方の台座には予選から本戦までの参加各艇の名前が刻印されている。サブタイトルとして”The prize for Brave Sailor of the year.”の文字が刻まれ、果敢に外洋レースに挑み、優秀な成績を収めた選手あるいは艇(チーム)にこのカップは贈呈(持ち回り)されることになる。

Q-ton Cup1978贈呈委員会の定める規定のもと、今年度よりカップの贈呈が始まる。(戸叶幹男/記念カップ製作実行委員会)

 

カップには石原裕次郎大会運営委員長の言葉が刻まれる