選手団の面々
オリンピック女子正式種目「レーザーラジアル級」のユース世界選手権は現地時間7月25日 英国・スコットランドのラーグスで最終日を迎え、日本の土居愛実(どいまなみ・1993年8月神奈川県生まれ・17歳・山手学院高等学校2年在学・江の島フリート/神奈川県ユースヨットクラブ)が銀メダル・2位を獲得しました。優勝は米国、3位はオランダでした。
今大会の女子には世界26カ国から89艇の参加がありましたが、土居は予選7レースに3回のトップをとるなど終始上位で戦い、総合2位で通過、決勝シリーズに進出。決勝シリーズの最終日には4m~8mの風の中、並みいる世界のユース世代トップセーラーと互角に戦い13位-7位でまとめ、銀メダルを獲得しました。同級における日本女子のユース世界選手権メダル獲得は初の快挙です。日本の女子一人乗りクラスは世代を通じて世界のハードルが高く、トップ10に入ることも難しいとされてきました。
レーザーラジアル級は前回の北京五輪から女子一人乗り種目として初めて採用されています。土居は今回の好成績により、2016年リオ五輪大会の“期待の星”に躍り出ました。
なお、今大会には日本からU-18男子6名、女子4名が参加しました。
【土居愛実コメント】
銀メダル獲得をとても幸せに思っています。
1月に行われたミッドウィンターレガッタに参加し世界選手権の出場権を獲得できました。レース会場のラーグスでは強風域が予想されていたのでセーリング練習と合わせてウエイトトレーニングを行ってきました。目標体重には至りませんでしたが8kgのウエイトアップをすることができました。現地の事前練習は予想どおり強風のコンディションでしたが、大会が始まると私の得意な軽順風でのレースになりました。スタートを苦手としていたので確実なスタートをすることを目標にしました。そしてよいスタートができ、ボートスピードには自信があったので、その後は自分の思うようなコース展開ができました。11レース中3レーストップを取ることができ、U19女子総合で2位になることができました。
ラジアル世界選手権の前に行われたISAFユース世界選手権(トルコ)に出場したことで海外レースの雰囲気に慣れることができ、緊張することなく自分の力を出し切ることができました。今回銀メダルをとることができたのは、日ごろから活動を応援してくれている家族や練習を毎週見てくださったコーチのおかげだと思います。感謝しています。今後もこの成績に甘んじることなく次の大会に向けて頑張っていきたいと思います。
【日本セーリング連盟・ジュニア・ユース育成強化委員長 佐々木共之コメント】
世界選手権を戦い抜いた土居愛実をはじめ日本チームの頑張りを心からうれしく思っています。これまで彼女の練習環境を支えてくださったご家族や多くのスタッフの方々と共に喜びを分かちあいたいと思います。今回の成果が多くのジュニア・ユースセーラーに夢と希望を与えてくれました。私達もこれを糧にさらなる強化環境を構築すべく努力してまいります。
【土居愛実のセーリングキャリア】
小学校2年生より兄の影響でセーリングを始める(OP級)。
中学生時代、2007年度OP全日本選手権大会第3位。
高校に進学しオリンピッククラスのレーザーラジアルに乗り始める。
2009年全日本レーザーラジアル以降ラジアルユースワールド、Volvo Youth Sailing ISAF World Championship日本代表を目指して本格的にレーザーラジアルのトレーニングに取り組む。
・2009年11月 全日本レーザーラジアル兼全日本レディ-ス兼レーザー4.7選手権大会(江の島) 総合32位(ユース女子2位)
・2010年1月 レーザークラスミッドウインターレガッタ ラジアルクラス総合10位(女子5位)
・2010年3月 ISAFユースワールド日本代表選手選考レース 女子1位
・2010年4月 スプリングレガッタ2010(江の島)総合5位(女子1位)
・2010年5月 <JOCジュニアオリンピックカップ2010>兼<JSAFジュニア・ユースセーリングチャンピオンシップ2010(ユース部門)総合2位(女子1位)
・2010年7月8日-17日 Volvo Youth Sailing ISAF World Championship 2010 第10位 イスタンブール/ トルコ
大会公式サイト
http://www.laserworlds2010.co.uk/laserworlds/radial/women/radial_youth_results.htm
JSAFジュニア・ユース育成強化委員会
http://jsaf-osc.jp/Junior-Youth/JYindex.html