‘レース情報’ カテゴリーのアーカイブ

ピーター・ギルモア優勝
Portimao Portugal Match Cup

2010年7月1日 木曜日

ワールドマッチレーシングツアー(WMRT)に参加するピーター・ギルモア率いるヤンマーレーシングが、Portimao Portugal Match Cup(ポルトガル)で優勝しました。

ピーター・ギルモア(オーストラリア)は2000年までアメリカズカップに挑戦した元ニッポンチャレンジのスキッパーとして日本ではおなじみのセーラー。2009年からヤンマーのサポートを得てWMRTに参戦しています。

ヤンマーレーシングには谷路泰博、早福和彦の日本人クルーが所属しており、このほか2人のクルーとともに5人でツアー4戦目となる本レースに参戦しました。

12チームが参加した今回のマッチ。ヤンマーレーシングは総当たり戦を8勝3敗と2位で通過し、準々決勝3勝1敗、準決勝3勝0敗という好成績で終えました。そして優勝決定戦で対戦したのは、ピーターと同様に西オーストラリア出身のトルバー・マースキーが率いるマースキーレーシングチームでしたが、これを2勝1敗で退け、ヤンマーレーシングが優勝しました。

同チームは7月5日から行われるSTENA Match Cup Sweden(スウェーデン)に続けて参加し、ツアー2連勝とともに、同レースの2年連続優勝を目指します。
なお、ヤンマーレーシングに関してはJ-SAILING83号で紹介していますので、そちらもお読みください。

最終成績
1  Peter Gilmour (AUS) YANMAR Racing 
2  Torvar Mirsky (AUS) Mirsky Racing Team 
3  Adam Minoprio (NZL) ETNZ/BlackMatch Racing 
4  Ian Williams (GBR) Team GAC Pindar
5  Francesco Bruni (ITA) Azzurra 
6  Magnus Holmberg (SWE) Victory Challenge 
7  Mathieu Richard (FRA) French Match Racing Team 
8  Manuel Weiller (ESP) Team Iberdrola 
9  Bertrand Pace (FRA) Aleph Sailing Team
10 Bjorn Hansen (SWE) Gill Global Team
11 Alvaro Marinho (POR) Seth Sailing Team
12 Eugeny Neugodnikov (RUS) Team Synergy

ヤンマーレーシング http://www.yanmar.co.jp/en/racing/
ワールドマッチレーシングツアー http://www.wmrt.com/

湘南コモドアズカップ

2010年6月24日 木曜日

江の島チームのレースシーン

今回で第7回となる湘南コモドアズカップが、6月13日、葉山マリーナヨットクラブ(HMYC)で開催されました。

湘南コモドアズカップは、外洋湘南に所属する6つのヨットクラブの会長(コモドア)が、ヘルムを握り、各クラブから選抜されたクルーが乗り込んで競います。レース艇は過去ニッポンカップの競技艇として使用されたNPO法人ニッポンセールトレーニング葉山の所有する30Sを6艇を使用しました。本イベントの趣旨は各クラブ間の交流と親睦を図ることが目的で、勝敗よりも前夜祭や表彰パーティーの方が重要なレースです。

参加チームは、熱海・真鶴・江の島・逗子マリーナ・葉山・HMYC、そして今年から伊東フリートが真鶴と合同で参加することになりました。当日は、前日からの南西の風とうねりが残ることが懸念されましたが、午前9時には全艇が葉山マリーナをドッグアウト。

HMYCの選抜チームは、村松会長、荒川副会長をはじめとし、重量級の選手を集めたチームハーフトン。これが当日の風域に見事にマッチし、18ノットオーバーの風でもしっかりとヒールを起こします。昨年の優勝チームである熱海ヨットクラブは稲葉会長が若手を従え、葉山ヨットクラブは必勝体制のクルーを送り込んできました。

イベントポリシーは親善・交流ではありますが、スタートのホーンとともに熱いレースとなります。マッチレースでも使用されているイーブンコンディションに整備された艇なので、チームワークとちょっとした判断ミスが順位を大きく左右します。最終の第3レースでは、これまでトップの熱海チームが4位に落ち、葉山チームが大きく順位を上げましたが、結局タイブレークで今年も熱海チームの優勝となりました。

今年のコモドアズカップの運営は、各クラブより運営ボランティアを募り、海上運営・陸上運営をお手伝い頂きました。選手だけではなく、運営・観戦も楽しめるように、横の繋がりを作ることにも配慮しました。また、HMYCの大会運営スタッフも、毎年新しいスタッフにバトンタッチし、多くのクラブメンバーが加わるようにプログラムを作っていきたいと考えています。運営にご協力をいただきました外洋湘南の皆様やHMYCのメンバーに感謝申し上げます。(レポート/HMYCレース委員会 樋口&飯沢、写真/大島ゆう子)

葉山マリーナヨットクラブ http://www.hmyc.or.jp/

第2レース、オールフェアのスタート直後

第2レースの1レグ(手前が真鶴・伊東ジョイントチーム、風上側が逗子マリーナチーム)

優勝は熱海ヨットクラブでした

OCEAN CUP 第20回宜野湾~久米島ヨットレース

2010年6月10日 木曜日

 

沖縄のレースの楽しみは、何といっても温暖な気候の中、島々を巡りながらのレース、毎回盛り上がるパーティ、クルージングを楽しみながらの帰港……まるまる2日間たっぷりと海を堪能できるのが魅力です。

今回ご紹介する「OCEAN CUP 2010 第20回宜野湾~久米島レース」は、沖縄のレースの中でも55マイルと長距離の部類に入りますが、毎年コンスタントに20艇以上が参加、県内だけでなく本土からの参戦も近年増えつつあります。今年で20回の節目を迎える伝統のレースです。

長距離といっても、30ftクラスのクルージング艇やカタマラン艇も数多く参戦しているのが特徴。多くの仲間と島へ行くという楽しみや、第1回からずっとスポンサードをいただいている「リゾートホテル久米アイランド」で行われるホスピタリティあふれるパーティにあるといっても過言ではないでしょう。天気がよければ、ホテルの中庭で開催されるパーティは、食いしん坊のヨット乗りたちを満足させる料理や、毎年工夫を凝らしていろんな演出やゲスト出演で楽しませてくれます。

ちなみにスタート時刻は午前6時と、数あるレースの中でも最も早い部類に入りますが、「小型艇がパーティに間に合わない」という理由で、現在の時刻になったとか。

例年レースが開催される5月末の沖縄は梅雨の真っただ中。梅雨前線の動きによって、風も海況も天気もガラッと変わります。その変化をどう読み、セッティングするかも、各チームの腕の見せどころです。

今年はあいにくの雨模様。東の微風、スピンでのスタートとなりましたが、その後予報どおり風は徐々に南~南西とシフト。座間味を過ぎ、渡名喜島を超えるあたりからは風速も上がり、各艇ともセールチェンジ。このあたりの選択が勝敗を左右したようです。

マックスでは40ノット近くまで達するなど、ハードなレースとなりましたが、大きなトラブルもなく、全艇が久米島兼城港に錨を下ろしました。先頭集団は平均9ノット強の激走で12時すぎにはフィニッシュ。ファーストホームは<Jazz>、修正では<ココリンオキナワ>が2年ぶりの優勝を果たしました。

雨のためバンケットルームでの開催となったパーティですが、変わらぬ大盛況。スペシャルゲストには、あの尾崎紀世彦さんがサプライズで登場。参加者から幾度となくアンコールを求められていました。

もうほどなくすると、沖縄は梅雨明け。本格的な夏がやってきます。(レポート/伊藤 烈、写真/大濱当吾)

 

優勝した<ココリンオキナワ>の面々

 

第9回ノルウェーフレンドシップヨットレース

2010年5月24日 月曜日

レースに供されるバイキングカップ

ゴールデンウィーク前の今年4月17日18日両日、ノルウェーフレンドシップヨットレースが神奈川県・江の島で行われました。このレースがどのようにして成立したか、その経緯をご紹介します。

1964年、東京オリンピックのヨット競技の5.5mクラスに、当時、皇太子であったハーラルV世がノルウェーの代表選手として参加されました。

37年後の2001年3月、そのハーラルV世がノルウェー国王として王妃とともに来日された折、オリンピックのヨットレース会場であった江の島への再訪を希望され、天皇・皇后両陛下同行で思い出の地を訪問されました。

その際、江の島ヨットクラブを中心に当時のオリンピック選手および関係者が100名近く集まり、和やかで盛大な歓迎パーティが開かれました。

 この交流をきっかけに、江の島ヨットクラブではハーラルV世国王来日を記念して、毎年4月にノルウェーと日本の友好を促進するための親善ヨットレース、ノルウェーフレンドシップヨットレースを開催することとしました。

レースはジュニア部門(OPクラス)、ディンギー部門、クルーザー部門の3部門からなり、各部門の総合優勝者には、駐日ノルウェー大使からバイキング杯を授与される、という大変に名誉あるレースとなっています。

以上のような背景を持つノルウェーフレンドシップヨットレースですが、今年は第9回を迎え、ジュニア部門60艇、ディンギー部門40艇、クルーザー部門24艇の参加を得ました。

ジュニア部門とクルーザー部門は4月17日18日、ディンギー部門は18日に開催され、好天に恵まれて素晴らしいレースを展開しました。

このレースがますます発展し国際色豊かなレースになり、早い時期に世界レベルの大会にしてノルウェー国王杯キングズカップレースにできたらと運営スタッフ一同願っています。(沖 尚武/レース実行委員長) 

 

ジュニア部門の参加者とノルウェー大使

ディンギー部門のレースシーン

クルーザー部門の1シーン

大島レース
60回を迎え、無事終了! 

2010年5月23日 日曜日

第60回大島レースのスタート(photo by Sachie Hamaya)

大島レースが5月22日11時にスタートし、無事、終了しました。

本レース、「花の大島レース」と称されるほど外洋レーサーに愛されている長距離レースです。今回、第60回大会を迎えましたが、その歴史を少し紐解きましょう。

1951年に第1回大会が開催され、コースは今回と同じ葉山~初島~大島~葉山。葉山港にアンカリングしていた参加艇が、レーティングに応じて時間差をつけてアンカーを揚げ、スタートするというもの。15艇がエントリして6艇が完走したという。

第1回からしばらくは、米国人を中心とした外国人が所有する船がエントリーの半数以上を占め、日本人が所有するのは20~25フィートのJOG(ジュニア・オフショア・グループ)と呼ばれるカテゴリーに属する船だった。次第に参加艇が増え、11回~20回は20艇以上、21回以降は40艇以上、第25回は70艇が参加したという。ちなみに、このときの優勝艇は現JSAF会長の山崎達光氏の<サンバード二世>だった。しかし、時代の流れとともに参加艇は減り、1桁台しか参加艇のないレースがしばらくつづいた。

沿岸で行われるブイ回りレースとは異なり外洋レースの面白さは天候、潮流、風、クルーの錬度、艇のポテンシャルなどがすべてかかわり、自然との闘い、自己との戦い、ライバルとの闘いがすべてであることだ。とくに本レースの開催される入梅前の相模湾、伊豆諸島北部の天候は変わりやすく、複雑な潮流、島の影響による風などが絡み合い、それだけに優勝艇も毎回のごとくに変わって面白みを増しており、「花の大島レース」と言われる所以となっている。(レース委員長の田中一美氏の著作より抜粋)

さて、その記念すべき第60回大会は23日に終了し、IRCクラスの優勝は<KARASU>、ORCCクラスの優勝は<TICTAC>となりました。余談ではありますが、<CONTESSA XIII>には石原慎太郎氏が乗艇され、記念レースを楽しんでおられたようです。

第60回大島レースの詳細 http://blog.goo.ne.jp/oshima-rc/